何気にBSプレミアムをつけたら、
先日ベルリンフィルを指揮した佐渡裕氏のドキュメントが始まった。
これが面白かった。
ベルリンフィルといえば、
世界最高のオーケストラのひとつであることぐらいは、
ぼくでも知っている。
そこで客演指揮者として招かれたのだが、
ベルリンフィルともなれば、
指揮者とはいえ、
オケとの力関係は下手をすれば逆転するのである。
3時間×2回のリハーサルがあって、
特に最初の10分は「ファーストコンタクト」といって、
ここで指揮者とオケの「相性」は決まってしまうらしい。
指揮者がこの10分で自分のやりたい音楽観を示し、
それにオケが納得しなければ、
オケは指揮者なんか無視して勝手に、
といっても必要十分な名演をしちゃうんだそうだ。
実力が超一流なだけに、
プライドも超一流なのだ。
ある有名指揮者でも「ライオンの檻に入れられたみたいだ」と嘆いたとか。
この演奏家集団を束ね、
限界ポテンシャルを引き出し、
自分の目指す演奏を実現する難しさ。
そんな中で佐渡氏は、
高圧的になるわけでも、
へりくだるわけでもなく、
ただいつもの自分のやり方でリハを進めていく。
佐渡氏は次のようなことを言っていた。
人間は誰しも命令されたいとは思っていない。
実際は指揮者はオケに命令をするのだが、
楽団員がそれを命令と受け取られないようにすることが大事だ。
音楽家はだれでもいい演奏をしたいに決まっている。
自分のより所はそこだけだ。
佐渡氏って、
まぁいわゆる洗練された胡蝶ランというよりは、
情熱あふれる雑草というイメージがあって、
番組も、
この雑草が、
世界一のオケにどう立ち向かうかというような視点で作られていた。
結果的には、
佐渡氏の情熱に打たれ、
ベルリンフィルのメンバーも、
しゃーないなぁ、
そんなに汗かいて、
いっちょ協力したろかって感じだったようだ。
震災の後だったってことも大きかったと思う。
それから面白かったのは、
佐渡氏が指揮をする上で一番影響を受けたのが、
何と桂枝雀。
客を笑わせるためなら何でもやる。
座布団に足の小指が乗っかってる範囲でなら、
どんな仕草でもする。
そんなところに共感するそうだ。
ちなみに、
佐渡氏がヘッドホンで何かを聞いている時は、
十中八九落語なんだって(笑)
掘り出し物のドキュメントでした。
●もうひとつ「あなたの寿命は延ばせる」っていうNスペを母と興味津津見た。ある遺伝子がオンになれば長生きできるそうだが、その方法は「カロリー制限」だって。笑った。それだけで長生きできるわけがないじゃないか●業務連絡。月曜日に元町に参上いたします。
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