2011年8月9日火曜日

失敗

夕方姉から、
「やっぱり桜は散りました」とメール。
一瞬何のことかと考えて、
姪が就職活動の真っ最中だと思いだした。
最近はあんまり顔も出さないので、
すっかり忘れていた。

こんな時こそ「失敗の見本市」である叔父の出番だ。
失意であろう姪に、
なぐさめと激励を込めたメールを送った。
さっき帰宅して携帯を見ると、
返信が来ていた。

「人生なめてるところがあったと思います」。
神妙な内容の文章に、
いつも以上に誤字が多いのは、
涙のせいだろうか?
しかし、
そんなメールを打つことが出来ただけでも、
彼女は試験に落ちた意味がある。

二人いる姪の、
姉の方は何事にも全力投球で、
学生時代から就職まで、
期待通りの結果を残してきた。
対して妹の方は、
そんな姉の拓いた道をなぞるような、
「要領良さ」があった。
いつまでも姉という盾の後ろを歩くわけにはいかぬと、
身を持って知ったに違いない。

単体では失敗と呼べる結果でも、
後々「あそこで失敗して良かった」と思えることは、
人生には多々ある。
成功から学ぶことのできる賢い人はいるけど、
世の中の99%の人は、
失敗から多くの教訓を得る。

もし、
ぼくがここまでの人生、
失敗することなく歩んできていたら、
いまより相当嫌なヤツになっていただろう。
そういう意味で人生は、
なめてかかるぐらいの方がいい。
ぶつかって転んで、
奥深さを知り、
荒波にもまれて心が鍛え磨かれる。
若い二人には、
もっともっと失敗して欲しいぐらいだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...