2011年8月31日水曜日

土壌

わが家の前は電車が走っており、
子どもの頃、
その度に大きな声で歌った覚えがある。

大きな騒音の中で、
ぼくの声はかき消され、
恥ずかしくないからだ。

「わたしはドジョウ」と次の首相が言い、
室伏が念願の金メダルをつかんだ最中、
放射性セシウム137の土壌汚染マップなるものが公表された。

































6月に測定した値を、
今この時期に公にする狙いは、
小学生だったころのぼく並みの、
浅知恵まるだしである。

最高地点では、
チェルノブイリ事故の時に、
強制移住基準とした値の10倍に及んだ。

あのソ連でさえ、
国民を強制移住させた基準の10倍ですよ、
10倍!

まさしくケタ違いの惨状だ。

こういう場所に住んでいた人は、
気の毒と言うしかないのだけど、
生きているあいだに再び戻ることは出来ない。

とまぁ、
そんなことは随分前から分かっていたことなのであるが、、、

今改めて思う。

「絶対に起こらない」と、
国や電力会社があれほど言っていた事故が、
それを遥かに上回るレベルで、
この日本列島で起きたのだ。

ジェノサイド。

大量殺戮という言葉が重い。

事故を起こしたことはもちろんだが、
その後の対応の遅さ、
情報の隠蔽、
そして今現在も遅々と進まぬ除染。

そういったすべての行為が、
この国の人による、
この国の人の未来に対するジェノサイドである。

んなこと言われたって、
じゃ私に何ができるの?

そう思う人もいるだろう。

それは無理もない。

この国の最高権力者である首相でさえ、
浜岡を止めるのが精いっぱいだったのだ。

ただ、
ぼくらが今現在行われている、
ジェノサイドの間接共犯だという、
そういう認識を持つだけでも、
未来は大きく違うと信じたいのだ。

●掲載した地図は、グーグルマップに落とし込んだものをネットで見つけたので転載させていただきました。

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