2011年8月25日木曜日

美学

島田紳助の電撃引退から1日。

時間はたってしまったが、
会見の模様をYoutubeで見た。

新聞で要旨は知っていたけれど、
実際見てみないとわからないものだ。

さすがに雄弁、
というか、
自らの引退を「深イイ話」にしてしまう話術は、
さすがと言わざるをない。

恐らく会見を見た人は、
少なからず彼に同情したと思う。

何を隠そう、
ぼくもその一人だ。

長年その世界で生きてきて、
ルールだって痛いほど知っていても、
落ちてしまう穴はある。

昨日までなかったところに、
突然大穴が開いていたなんてことも、
サラリーマンをしていて、
何度も目にしてきた。

そうでなくても人生なんて穴だらけで、
落ちたことがない人は、
その人が立派というより、
単にラッキーなだけなのかもしれない。

レギュラー番組を抱えるテレビ局はバタバタだったとは思うが、
それでも、
くだらない番組に差し替えながら乗り切って、
ある番組は打ち切り、
ある番組は司会者を代えて続くのだろう。

今は同情を受けていても、
結局それが現実だ。

人の噂も七十五日。

彼のことも、
せいぜい数年もすれば忘却の彼方かも。

そう考えると、
「余人を持って代えがたい人」って、
本当に少ないなと思う。

芸能人でもスポーツ選手でも政治家でも芸術家でも、
結局その人じゃなきゃ駄目と思う人の数こそが、
その人の本当の社会的「価値」を支える。

どんな人にも当てはまるのは、
とりあえず家族かな。

彼は引退は自分の「美学」と表現していた。

同情しつつも、
この点はちょっと違う気がした。

辞めても平気な蓄えのある人に、
「引退の美学」は説かれたくない。


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