敗戦の季節を迎えると毎年、
マスコミで様々な検証報道や、
悲劇のドラマが放送される。
66回目になる今年、
それらがひときわ感慨深いのは、
言うまでもなく、
東日本大震災と福島原発事故があったからだ。
敗戦から復興にいたる経験から、
今のぼくらは大いに学ばないといけない。
NHKが先日放送した「原爆投下 活かされなかった極秘情報」。
この番組の内容を凝縮すると、
「原爆投下を日本軍は事前に知っていたのに何もしなかった」
につきる。
この驚愕のスクープ、
以下少しかいつまんで。
大戦末期、
日本軍は米軍が、
爆撃機B29で極秘任務を開始していることを、
電波傍受で把握していた。
また、
米軍が原爆開発に成功したことを、
知っていた。
広島に原爆が落とされた日も、
B29の飛来を、
完全に把握していたのに、
空襲警報を出さなかった。
さらに、
広島に落とされた爆弾は、
原爆だとはっきり認識していたにもかかわらず、
「非常に力の強い普通の爆弾の可能性もある」、
と言い逃れした。
そして極め付きは、
広島原爆の3日後、
長崎に原爆投下された際には、
5時間も前に原爆機の飛来をキャッチしていながら、
空襲警報はおろか、
撃墜命令も何も出さなかった。
つまり、
原爆投下は、
従来言われてきたような奇襲攻撃だったのではなかった、、、
敗戦後66年、
これら不作為の罪を一切、
わが国は公にしてこなかったのである。
どうしてそういうことになったのか?
ぼくが番組を見て推測するのは、
発端は、
日本軍による原爆開発の失敗である。
その時、
「アメリカ側においてもなしえざるものと判明せり」と、
何の根拠もない嘘を理由にしてしまった。
いったん嘘をついてしまったら、
それを守り通すため、
米軍に原爆は「ない」ことになってしまった。
そうした軍の面子のために、
結局、
数十万人の命が犠牲になった。
どうだろう。
福島原発事故後のこの国や電力会社の対応と、
瓜二つではないか。
「知っているのに知らんぷり」作戦は、
今も昔も変わらない。
66年たっても、
この国の本質は何も変わらず、
核の悲劇を再び招いた。
心底恐ろしい国だ。
この日本人必見の番組を制作した、
NHKのスタッフに敬意を表する。
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