夕刊を見て頭にきた。
関電の火力発電所が故障して、
17日と18日の電力需給が厳しくなったという。
またもや「やっぱり原発必要作戦」かもしれないが、
ぼくにとってこれは逆効果。
火力発電所すら満足に運転できないようじゃあ、
原発なんて、
とても無理ではないかと、
普通なら思うと思うのだが。
それとも、
ぼくの頭が故障しているのだろうか?
さて。
ETV特集「アメリカから見た福島原発事故」
事故を起こした福島原発の、
米GE社製の「マークⅠ」には、
技術的な問題があると、
当の米国では1970年代から言われていたのだそうだ。
格納容器が狭いという構造的欠陥で、
全電源喪失から6時間もすれば、
メルトダウンするということは、
すでにシミュレーション済みだったようだ。
登場する科学者は口ぐちに、
福島原発で起きた事故の進展が、
シミュレーション通りだったと語る。
昨日からの続きだけど、
んなことは国や東電はとっくに承知していたわけで、
にもかかわらず対策はとらないまま、
3.11を迎えたのだ。
「知っているのに知らんぷり」作戦である。
その背景には、
想定外のことは考えないという、
思考停止がある。
想定外=起きないのだから、
その対策は考える必要がない。
むしろその対策を考えるということは、
逆に想定外ではないということを、
認めることになって自己矛盾してしまう。
そんな論法である。
アメリカは原爆を持っていないのだから、
日本に落とされることなど考える必要がない、
というのと全く同じである。
例えば、
元原子力安全委員会の、
原子炉安全基準専門部会長だった村主進さんは、
こんなことを言っていた。
「いいですか。マグニチュード9という地震は過去に日本で起こったことないでしょ。たとえば、隕石が落下するということは、ね、これはあるんです、確率的にはね。あるけれども今は考えなくていいと。もう、あまりにも確率が低いから。ということでやっているわけですよ。だから津波だって、マグニチュード9の津波があるということは、今まで日本では未曾有ですからね。かつてなかったんだから。考えてなかったというのはやむを得ないと、そういうことになるわけですよ、安全屋から言わすと」
安全屋さんの論法を開き直りと感じるのは、
ぼくだけであろうか?。
いずれにせよだ。
村主さんには、
マークⅠの安全性について10年研究したという、
米の科学者の言葉を贈ろう。
「原発の安全性を脅かす問題は、想定を決めて想定外を無視すること。それが大きな過ちなのです」
そういう意味でこの番組、
有益ではあったのだが、
ひとつ懸念されることといえば、
結局悪いのは原発すべてではなく「マークⅠ」だ、
という論法にすり替えられる恐れがあることだ。
日本に10基あるという「マークⅠ」さえ廃炉にすれば、
それでいいのではという方向に、
議論の矛先が向かわないことを祈る。
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