天声人語書き写しノートの1冊目が、
やっと終わった。
7月30日から9月4日まで、
毎日とはいかなかったが、
とりあえず31日分を写してみて思ったこと。
俳句や短歌に川柳。
とにかく引用が多い。
ちなみに、
書き写した31日分をざっとめくってみただけで、
12日分でこうした引用がある。
それから意外なことに、
世間でいわれているほど、
文章は上手くない。
天声人語といえば、
泣く子も黙る達意の名文と、
かってに思い込んでいたのは、
ぼくの方だけど。
切り口が鮮やかなわけでもなく、
読んでいるだけで泣けてくるわけでもなく、
どちらかといえば、
ああでもない、
こうでもないと、
難儀しながらマス目を埋めている感じがする。
普通に書けば原稿用紙10枚ぐらいになるところを、
1枚半に凝縮しているというより、
頑張れば1枚で済むところを、
水増ししているとでもいおうか。
字数ぴったり、
というのも案外簡単な技で、
要は漢字があるのにひらがなにしたり、
あってもなくてもいい助詞を挿入したりして、
1行分ぐらいはどうにでもなる印象だ。
特にこういうコラムでは、
最後の一文が最も大切だと思われるが、
確かに何となく格調高いんだけど、
鮮やかな切り返しや、
寸鉄人を刺すというものは余りない。
なによりも喜怒哀楽、
筆者の生の感情が伝わってこない。
格調の高さと、
感情の吐露は相反するものではないはずだ。
子どものころに読んだ印象と随分違うのは、
こちらが年をとったせいなのか、
筆者の腕の問題なのかは、
定かではない。
断わっておくけど、
もちろん基本は「上手い」わけで、
そこまでぼくはうぬぼれてはいませんよ。
これはあくまで中間報告。
明日から2冊目がスタートだ。
●台風12号が存外の被害を出している。自然は怖い。一寸先は闇だ。