わりと最近、
高城剛の本を2冊たてつづけに読んだ。
「私の名前は高城剛。住所不定、職業不明」
「時代を生きる力」
(ともにマガジンハウス)
これらを読みながら、
高城って人は坂本龍馬みたいだなと、
ふと思った。
何か定まった肩書があるわけでもなく、
世界中をふらふらしていて、
だからこの地球の様々な最先端を知っているのだけど、
専門家ではないから、
どこか表層的で胡散臭い。
言いたいことが山のようにあるからなのだろうが、
ひとつの話題でじっとしていないもんだから、
きれいなカタログをパラパラ見せられて、
煙にまかれているようでもある。
世界に冠たる企業や政府との仕事もしているようだが、
どれもがコンサルティングのような内容で具体的「ブツ」がなく、
それゆえどんな話もオブラートに包んだような、
妙な曖昧さがある。
とにかく怪しい。
しかし、
この人が未来の人類や世界のあり方について言っていることは、
きっと本当なんだろうなと思わせる、
不思議な魅力がある。
「政権交代より世代交代すべし」なんて、
素敵な指摘じゃないか。
あのビル・ゲイツが小型原発の開発に手を染めているなんて、
彼に聞かされるまでまったく知らなかった。
ネットの時代にありながら、
彼が語る世界のすう勢は、
島国から見る景色とはずいぶん違う。
軽やかに人の3歩ほど前を歩いている感じ。
そのあたりが、
ぼくの中では坂本龍馬を連想させるのだ。
この国を本当に「開国」させるのは、
彼のような人なのだと。
きっと龍馬ファンからすればケシカランのだろうけど。
肩書なんかにこだわらないって、
格好つけて言っておきながら、
結局人一倍こだわっているのは、
むしろぼくなのかもしれない。
学歴とか権威とか、
関係ねーやってそっぽ向いているのも、
実はそういうものへの嫉妬なのかもしれない。
島国根性丸だしのぼくのような人間を、
ケラケラと笑い飛ばすような、
そんな鳥の視点が、
この人にはある。