2011年9月30日金曜日

速成

芸能人が何かのプロを訪ねて、
ちょっとだけやってみて、
「あぁ難しいですね」とか言う場面を見ると、
「当たり前だろ」と突っ込みたくなるのは、
ぼくだけだろうか?

何十年もかけて会得した技を、
ど素人がいきなりやって出来る訳がない。

きっとプロの技がいかに凄いかということを、
視聴者に伝えたいんだろうけど、
それは余りに安直というか、
プロを愚弄しているようにすら思える。

そんなに目くじらをたてる方が、
どうかしているのかもしれないが、
そういう場面を見るといつも必ず、
そう思う。

最近うちの会社も速成栽培的な人材育成を進めていて、
1年前に教えた子が、
今はもう新しい人に教えているのを見ていると、
頼もしくもあるが少し寂しくもある。

こんな短期間でそれなりの仕事が出来てしまうのは、
若い子が努力したこともあるけれど、
やはりコンピューターの発達が大きい。

操作法さえある程度覚えれば、
何となく「らしい」結果は出せてしまうのだ。

では、
ぼくが10年かけてきたこの仕事は、
その程度のものだったのだろうか?

少しの寂しさとは、
結局、
それを認めてしまいそうになる自分に対してだ。

そんなはずはない。

この仕事の真髄は、
コンピューターのサポートの向こう側にある。

とかいいながら、
コンピューターの操作を若い子に聞いている自分が情けない。

仏作って魂入れずなんて言葉を、
最近やけに思い出す。

その仏に魂が入っているか否か。

ぼくにはわかる。

素人には分からないだろうけど。

きっと、
どんな分野でもそうなんじゃないかな。

てな愚痴を言いながら、
せめて自分は魂込めた仕事をしようと、
自戒するのである。

時代遅れかなぁ?

●今週はチョコパコースで参ります。

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