先日、
会社の目の前の定食屋に行こうと思ったら、
いつのまにか閉店していた。
軽いショックだった。
ビルの地下にあるその店は、
正直なところ流行ってはいなかった。
でもぼくはそこで月に一度か二度、
トンカツ定食を食べながら、
マガジンとジャンプを読むのが好きで、
それはここ数年のマイルーティンワークだった。
それが、
張り紙一枚出さず、
突然消えてしまった。
確かに、
いつ潰れてもおかしくはない店だった。
おやじさんが一人で切り盛りしてて、
食事がとびきり美味しいわけではなく、
サービスのコーヒーだって、
一度淹れたのを鍋で沸かし直したような、
ただ苦いだけの代物だった。
それでもぼくには、
ここは精神的なオアシスだったし、
オーダーなしで品物が出てくる、
貴重な店だった。
それが、
一言の挨拶もなしに、、、
予期せぬ別れってこんな感じなのか。
同じような毎日なのに、
たまに歯車がコトリと動く音が聞こえる。
そんな出来ごとだった。