消化してない慰労休暇をとるようにと、
厳命されている。
2週間近くあるので、
この際、
海外旅行でも行ってやろうか、
などと思いながら、
そういえば、
と確認したら、
パスポートの有効期限が切れていた。
前回取得したのが1999年。
10年有効にしたことだけ覚えていて、
てっきりまだ有効期間だと思っていたのに、、、
4年も前に失効していたとは。
この4年間、
海外旅行だなんて、
考えたことがなかったわけじゃないけど、
パスポートを確認したのは、
初めて。
13年前の自分の顔写真に笑った。
なんと、
白黒。
なんで白黒にしたんだろう?
たぶん、
その方が写真写りが良いと、
思ったからだったような、、、?
1999年といえば、
米の同時多発テロもないころ。
入国スタンプを見ると、
モルジブに行くために取得したのだ。
モルジブへダイビングに行った。
あそこは天国のようだった。
そうそう。
それは10年の慰労休暇を使ったのだ。
珊瑚礁で囲まれた、
エメラルドグリーンの海上コテージに泊り、
部屋の中から海中が見える仕掛けがあって、
そこからは熱帯魚が見えたっけ。
あれは確かに天国みたいだった。
天国を見た事はないけれど。
その後、
同じパスポートには、
ヘルシンキの入国スタンプもあった。
あれはフィンランドにオーロラを見に行ったのだ。
マイナス30度とかいう信じられない世界で、
ユニクロダウンが十分機能したことに驚いた。
いやいや、
それよりオーロラを見たこと、
いやいや、
それよりオーロラを見るために車で走り回ったこと。
いやいや、
体は到着したのに荷物が届いていなくて慌てたこと。
犬ぞりが意外に面白かったこと。
なんだかしょーもないことの方がよく覚えている。
それにしても、
色々ありすぎた13年間だった。
同級生なんかと会うと、
昔も今も変らないなと思うけど、
やっぱり13年間でぼくは大きく変わったような気がする。
何が、
というと具体的には言えないのだけれど、
やっぱり天国から地獄に堕ちて、
それでもなんとか這い上がって今がある。
その経験は、
ぼくの中では大きいウエイトを占めている。
失ったものも大きかったけど、
得たものも大きかった。
13年前のまま、
挫折を知らないでいたら、
今の自分はもっとイヤな男になっていただろう。
涙の数だけ強くなれるよ。
それはZARDの歌。
あるいは先日、
人から聞いた言葉。
人は泣かないと化けることはできない。
それも言えてる。
来年海外に行くかどうかはわからないけど、
とりあえず、
パスポートだけは再び取得しようと思った。