2008年12月11日木曜日

格差

受動喫煙の被害者だといって、
喫煙者を一方的に攻め立てる人が、
ぼくは苦手だ。

そういう人は、
一点の曇りもなく、
自分は加害者ではないと思っているのだろう。

人間は生きているというその事だけで、
すでに加害者であるという意識が全くない、
そういう無神経さが、
ぼくには理解できない。



煙草がまた値上げされそうだ。
喫煙者の間では、
ひと箱1000円ならやめるけど、
500円なら吸い続けるというのが、
意見の「相場」だろうか。

いっそ明日から1000円にしてくれ、
そしたらスッパリやめられるのにと、
他力本願な声もある。

値上げするたびに、
喫煙者の割合が減っているそうだから、
きっと1000円になれば、
うんと下がるだろう。
喫煙者を目の敵にしている人たちにとって朗報に違いない。



この前、
BSで中国の出稼ぎ労働者のドキュメントをやっていた。
彼らは本当に貧しそうで、
帰省するバス代にも事欠く。
郷里に残した子供にラジコンヘリを買ってやりたいが、
当然そんなお金はなく、
金魚数匹が精一杯の土産となる。

そんな彼らが、
のべつ幕なしに煙草をふかしている。
ひと箱いくらなのか知らないけど、
この国では、
煙草は貧困の象徴のように見える。

近い将来、
地球上の喫煙者の4割は、
中国人とインド人になるともいう。



しかし、
日本でひと箱1000円とか2000円とかになって、
それでも吸い続けられるのは富裕層だけだろう。
煙草=裕福という状態になって、
ノキアの携帯じゃないが、
わざわざひと箱5000円とか10000円とかする煙草も、
売り出されるのではないか。

街の喫煙所は豪華になり、
高級店では得意客用に喫煙室を設置するところも現れるだろう。
いまは隔離されたかのごとき喫煙室の人たちが、
誇らしそうに紫煙をくゆらす日が。

ズワイガニもマツタケも、
昔は全然高級品などではなかった。
ところが数が減り、
庶民が容易に手を出せない値段になると、
逆にありがたがられるようになった。



いつかは煙草が吸えるようになりたいね

ああ


そんな会話が交わされる、
格差に満ち満ちた日が、
やってきそうな雲行きだ。


●帰宅してNHK「SONGS」を録画で。ミスチルがいきなり「HANABI」を歌った。「もういっかいもういっかい」。コード・ブルーの主題歌だ。やっぱりいい歌だと思った。●ついでに東京カワイイTVも。「ニューヨークはアメリカじゃない」と言った人がいたが、そういう意味で東京は日本じゃない。

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