受動喫煙の被害者だといって、
喫煙者を一方的に攻め立てる人が、
ぼくは苦手だ。
そういう人は、
一点の曇りもなく、
自分は加害者ではないと思っているのだろう。
人間は生きているというその事だけで、
すでに加害者であるという意識が全くない、
そういう無神経さが、
ぼくには理解できない。
煙草がまた値上げされそうだ。
喫煙者の間では、
ひと箱1000円ならやめるけど、
500円なら吸い続けるというのが、
意見の「相場」だろうか。
いっそ明日から1000円にしてくれ、
そしたらスッパリやめられるのにと、
他力本願な声もある。
値上げするたびに、
喫煙者の割合が減っているそうだから、
きっと1000円になれば、
うんと下がるだろう。
喫煙者を目の敵にしている人たちにとって朗報に違いない。
この前、
BSで中国の出稼ぎ労働者のドキュメントをやっていた。
彼らは本当に貧しそうで、
帰省するバス代にも事欠く。
郷里に残した子供にラジコンヘリを買ってやりたいが、
当然そんなお金はなく、
金魚数匹が精一杯の土産となる。
そんな彼らが、
のべつ幕なしに煙草をふかしている。
ひと箱いくらなのか知らないけど、
この国では、
煙草は貧困の象徴のように見える。
近い将来、
地球上の喫煙者の4割は、
中国人とインド人になるともいう。
しかし、
日本でひと箱1000円とか2000円とかになって、
それでも吸い続けられるのは富裕層だけだろう。
煙草=裕福という状態になって、
ノキアの携帯じゃないが、
わざわざひと箱5000円とか10000円とかする煙草も、
売り出されるのではないか。
街の喫煙所は豪華になり、
高級店では得意客用に喫煙室を設置するところも現れるだろう。
いまは隔離されたかのごとき喫煙室の人たちが、
誇らしそうに紫煙をくゆらす日が。
ズワイガニもマツタケも、
昔は全然高級品などではなかった。
ところが数が減り、
庶民が容易に手を出せない値段になると、
逆にありがたがられるようになった。
いつかは煙草が吸えるようになりたいね
ああ
そんな会話が交わされる、
格差に満ち満ちた日が、
やってきそうな雲行きだ。
●帰宅してNHK「SONGS」を録画で。ミスチルがいきなり「HANABI」を歌った。「もういっかいもういっかい」。コード・ブルーの主題歌だ。やっぱりいい歌だと思った。●ついでに東京カワイイTVも。「ニューヨークはアメリカじゃない」と言った人がいたが、そういう意味で東京は日本じゃない。
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