2008年12月1日月曜日

悲鳴

近所に映画館があったらなぁと、
こどもの頃よく思っていた。

特に高校生の時かなぁ。
大人たちが若い時、
映画館に入り浸っていたなんて話を読んで、
近所にあるこじんまりした名画座と喫茶店、
この二つは文化的暮らしの象徴のように思っていた。

喫茶店の方は何軒か素敵な店があったけど、
映画館の方はあいにく、
日活ロマンポルノ3本立てのしかなく、
ぼくの文化的生活は半分しか実現しなかった。
(まぁ日活にも行ったけど)



それがついに、
近所にシネコンができちゃった。
何か知らんが「東洋一」というから、
今どき「東洋一」っていう宣伝文句も笑えるけど、
とにかく立派だということで、
ぼくの若い夢は、
30年ほど遅れて大スケールでかなった。

ネット予約をして、
母と「レッドクリフ Part1」を見に行った。
知り合いの「シニア」の女性が「面白かった」といったからだ。
これなら母も寝はしまい。

真新しいカーペットに立派な椅子。
ぼくが信じられない気分になったぐらいだから、
母はいかほどだっただろう。



映画はご存じ三国志の赤壁の戦いが題材。
ジョン・ウー監督、
CGを駆使して、
大スペクタクルに仕上げていた。
エンタテイメントとして、
確かに評判だけのことはある。

母は映画のストーリーより、
すごい勢いでポップコーンを食べるぼくにあきれていた。
でも、
最後まで寝ずに見ていたから、
分からないなりに、
満足していたのだろう。

ぼくとしては、
BSに続き、
またしても誘惑が増えたことで、
本を読む時間がなくなりそうと、
嬉しい悲鳴をあげている。



●て、ぼくにしても三国志は読む方は挫折したクチ。NHKの人形劇は見てたけど。たまたま先日のBSで予備知識があったから、知ったかぶりができたものの、たぶん知らないと映画の筋はチンプンカンプンだろう●それでも小さな名画座にはあこがれる。このシネコンでも1スクリーンぐらい、そういう感じでやってくれないかな。

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