2008年12月22日月曜日

大は象から小はネズミまで、
哺乳類の寿命は様々だけど、
トータルの心拍数は一定しているという。

諸説あるようだが、
だいたい20億回というところらしい。
従って、
心拍の早いネズミの寿命は短く2~3年。
遅い象は80年~100年生きるのだそうだ。




この理屈は人間にも当てはまるとのこと。
とすれば、
何とかして鼓動を減らせば長生きできると、
だれでも考えるだろう。

心臓の筋肉は不随意筋だから、
「持ち主」の思い通りにはならないはずだけど、
確かヨガの行者は、
コントロールできると、
何かで読んだことがある。

自分で制御できないにしても、
できるだけストレスを避けて、
心穏やかに過ごすのは、
精神衛生上もよろしいだろう。




あるいは、
心臓だけに限って考えれば、
将来iPS細胞技術が進んで、
自分の心臓をそっくり複製しちゃう人も出てくるだろう。
古くなったらハイ交換。

いや心臓に限らず、
ありとあらゆる体のパーツのスペアを用意しておいて、
定期的に交換するような時代がくると思う。




「聖の青春」(大崎善生著、講談社文庫)を読んだ。
村山聖(さとし)という棋士の一生を描いたノンフィクションで、
ずっと読みたいと思っていた。

「一生」といってもそれはわずか29年間。
彼は重い腎臓病を抱えながら、
羽生らとともに将棋会最高峰のA級に駆け上がり、
名人にあと一歩まで迫りながら壮絶な生涯を閉じた。

2日で一気に読み、
震えるほど感動した。




彼にもし、
スペアの腎臓があったらなど、
考えるのは不謹慎だと思うが、
彼は交換を望んだだろうか?

恐らく望んだだろう。
だが、
そうしていればきっと、
彼の凄まじい生き様は、
描かれることはなかったに違いない。




一回きりの、
一方通行の、
時代も場所も選べない道だからこそ、
描ける人生もある。

傲慢だけど、
そう思う。

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