「資本主義はなぜ自壊したのか」は面白い。
第三章「『悪魔のひき臼』としての市場社会」は、
なかなか勉強になった。
「悪魔…」という言葉は、
19世紀の経済人類学者カール・ポランニーが使った用語だそうだ。
彼は第二次大戦中に書いた「大転換」という著書でこう書いている。
「資本主義とは個人を孤立化させ、社会を分断させる悪魔のひき臼である」
言っておくが彼は社会主義者ではない。
だが市場経済で取引してはいけないものを3つ挙げている。
それは「労働」「土地」「貨幣」だ。
彼は商品の本質は「再生産可能かどうかにかかっている」とする。
人生も土地も再生産不能だ。
だから本来この二つは売り買いされるべきものではないと述べる。
そして貨幣は、
本来取引の手段でしかないものだ。
それが、
金本位制をやめた時点から、
あたかも貨幣そのものが商品のようになってしまった。
こうして資本主義は3つのタブーを犯してしまったがゆえに、
「悪魔のひき臼」として機能し、
本来社会的である人間を粉々にしてしまうと説くのである。
ぼくなりのめちゃくちゃ粗い理解だが、
なるほどと膝を打ちたくなる。
でも百年以上も前にそんな先見の明を持った人がいながら、
なぜ人間はかくも愚かな過ちをしでかすのか。。。
たぶん占いと一緒で、
今を読み解くことができる道具として、
彼の主張が一番しっくりくるということなのだと思う。
きっと今もあまたの経済学者が、
世界経済はかくあるべしとそれぞれの持論を展開しているだろう。
でもそんなこととはお構いなしに事態は進行していく。
その論が正解かどうかが100年たたないと分からないという点が、
なんとももどかしいではないか。
●引き続き読書は続きます●マスターズ。遼クン最後は自滅したけど、大健闘だったと思う●巨人5連勝。嘘みたいだ●久々にjamjamに行けた。普段大阪勤務なので、たまに元町界隈を歩くと、いい気分転換になる●先日のライブに来てくれて、今日、改めて「よかった」と言ってくれる人がいた。本当に嬉しかった。ありがとう!
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