2009年4月12日日曜日

学説

「資本主義はなぜ自壊したのか」は面白い。
第三章「『悪魔のひき臼』としての市場社会」は、
なかなか勉強になった。

「悪魔…」という言葉は、
19世紀の経済人類学者カール・ポランニーが使った用語だそうだ。
彼は第二次大戦中に書いた「大転換」という著書でこう書いている。


「資本主義とは個人を孤立化させ、社会を分断させる悪魔のひき臼である」


言っておくが彼は社会主義者ではない。
だが市場経済で取引してはいけないものを3つ挙げている。
それは「労働」「土地」「貨幣」だ。

彼は商品の本質は「再生産可能かどうかにかかっている」とする。
人生も土地も再生産不能だ。
だから本来この二つは売り買いされるべきものではないと述べる。

そして貨幣は、
本来取引の手段でしかないものだ。
それが、
金本位制をやめた時点から、
あたかも貨幣そのものが商品のようになってしまった。

こうして資本主義は3つのタブーを犯してしまったがゆえに、
「悪魔のひき臼」として機能し、
本来社会的である人間を粉々にしてしまうと説くのである。

ぼくなりのめちゃくちゃ粗い理解だが、
なるほどと膝を打ちたくなる。

でも百年以上も前にそんな先見の明を持った人がいながら、
なぜ人間はかくも愚かな過ちをしでかすのか。。。

たぶん占いと一緒で、
今を読み解くことができる道具として、
彼の主張が一番しっくりくるということなのだと思う。

きっと今もあまたの経済学者が、
世界経済はかくあるべしとそれぞれの持論を展開しているだろう。
でもそんなこととはお構いなしに事態は進行していく。

その論が正解かどうかが100年たたないと分からないという点が、
なんとももどかしいではないか。

●引き続き読書は続きます●マスターズ。遼クン最後は自滅したけど、大健闘だったと思う●巨人5連勝。嘘みたいだ●久々にjamjamに行けた。普段大阪勤務なので、たまに元町界隈を歩くと、いい気分転換になる●先日のライブに来てくれて、今日、改めて「よかった」と言ってくれる人がいた。本当に嬉しかった。ありがとう!

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