先日見た演出家蜷川幸雄のドキュメントで、
素人役者として起用された、
とぼけた味のじいさんが、
元は自衛隊の戦闘機乗りで、
すごい音をたてているコックピットが、
音速を超えた瞬間、
静寂に包まれるのだと言っていて、
妙に感心した。
一日一回転する地球の表面に張り付くぼくらは、
時速1500キロほどのスピードで振り回されている。
それは時速340キロの音速をはるかに超える。
こうしてPCに向かっているぼくも、
本当は音速を超えて移動しているのだから、
静寂に包まれればいいのに、
日々喧噪の中で右往左往している。
今日のプロフェッショナルには「武装解除のプロ」という、
32歳の女性が出ていた。
「武装解除」という言葉と「プロ」という言葉が、
どうにも馴染まない。
「平和のプロ」とか、
「幸せのプロ」とか、
「人生のプロ」とか変でしょ。
それと同じ。
人生や、
その集積としての歴史の一回性を思う。
どんな賢人であっても人生については素人だ。
孔子だってキリストだって、
音速の5倍で振り回されながら、
「初体験」の人生を右往左往したに違いない。
●清水由貴子が自殺したと知って驚いた。頭の中にあるノホホンとしたイメージと、硫化水素自殺というリアルさが結びつかない。
0 件のコメント:
コメントを投稿