2009年6月12日金曜日

神業

ようやく「グラン・トリノ」にたどり着いた。



泣いた。



感極まったというのではなく、
ラスト近く、
気づいたら涙が流れていた。

焦った。

エンドロールが終わるまで、
席を立てなかった。
かつてない経験だ。



ありふれた物語だ。
切りつめて言えば、
「遠くの身うちより近くの他人」ということだ。

朝鮮戦争に従軍した元米軍兵士と、
隣に越してきたアジア人との触れ合い。


「俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を」


宣伝文句から、
結末はある程度予感できた。



にもかかわらず、
クリント・イーストウッド監督の手にかかると、
これほどの名作になってしまう。

淡々としているのにスピーディー。
平凡だけど退屈ではなく、
ラフなのに雑じゃない。
悲惨かつユーモラス。

予想通りの展開だけど、
事は常にぼくの半歩前を進む。

だから、
感情以前に、
心が勝手に泣いた。



このぼくがねぇ。
自分に感心した。


●映画館で見れてよかった。それにしても、俳優のほとんどがほとんど無名。にしてこの作品。●ジェイミー・カラムが歌う主題歌がまた素晴らしい。これはイーストウッドの息子の作品という。でもYouTubeで見るとネタばれする恐れあり●大失態。「静観」で「立命館大」と書くところを「立教大」と誤った。また処分ではなく指導だった。完全な事実誤認。一部表現を直しました。

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