モハメド・アリとジョー・フレイジャー。
ボクシングヘビー級で、
1970年代に3度拳を交えた二人のドキュメントをBSで見た。
特にフィリピンで行われ3度目の対戦は、
史上最高の試合と言われているそうだ。
14回まで戦い抜いた二人は、
ともに限界を超えていた。
決定的なドラマは、
15ラウンドまでの、
わずか1分の間に起きた。
王者アリがセコンドに、
「グローブを外してくれ」と言ったというのだ。
つまり、
自ら負けを認めていたということだ。
一方、
フレイジャーはやる気満々。
そのままゴングが鳴れば、
アリは椅子から立つことなく、
フレイジャーが勝つはずだった。
ところが、
フレイジャーのセコンドがゴング寸前、
勝手に試合を止めてしまった。
フレイジャーにしてみれば、
泣くに泣けない敗戦である。
しかしセコンドにも、
かつてリングで選手を死なせてしまった過去があった。
そしてその時、
フレイジャーの目は、
ほとんど見えていなかった。
フレイジャーを「死なせたくない」。
そう思ったとしても無理はない。
その後、
アリはアメリカの「伝説」になったが、
その後パーキンソン病に侵された。
フレイジャーは今、
フィラデルフィアのしけたジムで寝泊まりする生活。
ミリオンダラー・ベイビーで、
モーガン・フリーマンのやった役そのままだ。
どちらが幸せかは分からないけど、
あの時のたった1分の間の出来事が、
二人の人生を大きく左右したことは間違いない。
●中学生の時、この試合は見た記憶がある。実際は、もっと複雑な要素が絡み合っていて、見ごたえがあった●元町→三宮→住吉、土曜日のフルコース。唯一、またもペンギンさんに会えなかったことだけが心残り。
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