学生のころ、
聖職者にだけはなっちゃいけないと思っていた。
そんなことはしてはいけない人間だと、
強く思っていた。
京都教育大学(京都市伏見区)の学生6人が集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、京都地検は22日、6人を処分保留で釈放した。西浦久子次席検事は「被害女性との間で示談が成立し、女性が告訴を取り下げたため」と説明した。近く6人を不起訴処分(起訴猶予)とする見通し。
同地検によると、6人側の弁護人が19日に示談を持ちかけ、22日に女性側が同意、同日付で告訴を取り消したという。集団準強姦罪は被害者の告訴が必要な親告罪ではないが、地検は、示談によって被害者が法廷で証言することが困難になったと判断したとみられる。
西浦次席検事は「事実関係を捜査したことが示談につながった」と話した。(asahi.com)
西浦次席検事の言う「事実関係」がどういうものか、
憶測は避けなければならないが、
4年以上の刑が定められている罪で逮捕された容疑者が、
「お咎めなし」にされたのである。
「被害者」より「容疑者」にとって相当有利な内容であったことは、
間違いないだろう。
しかし、
教師の卵7人が居酒屋で乱交していたことも事実だ。
7人は今回のような事がなければ、
当たり前のように教壇に立っていたかもしれず、
それを考えると暗澹たる気持ちもする。
一方で、
このような事があった7人だからこそ、
是非教職についてもらいたいとも思う。
この三週間で、
7人の法律や権力や人権に対する考え方は、
根こそぎ覆ったはずだ。
その経験は千金に値する。
今回ぼくが思い知らされたのは、
言論封殺の怖さである。
2ちゃんねるやミクシーにおいて、
容疑者擁護の発言に対して行われた、
常軌を逸したバッシング。
そして、
学生にネットへの書き込みの自粛を求め、
あるいは書き込んだ者を「指導」した大学。
「まっとうなこと」が日に日に言えなくなっていく雰囲気。
この間の戦争の時も、
きっとこのようにして異論が封殺されていったのだと、
空恐ろしいような21日間だった。
何も戦争にまでさかのぼらなくたって、
同じようなことは現在進行形で起きている。
宮台真司は「日本の難点」でこう書く。
最近「環境問題のウソ」を暴く本や言説がブームです。僕は爆笑します。「温暖化の主原因が二酸化炭素であるかどうか」はさして重要ではないからです。なぜなら、環境問題は政治問題だからです。そうである以上、「環境問題のウソ」を暴く本が今頃出てくるのでは、15年遅すぎるのです。
(中略)
そうした政治的なゲームでは、「何が真実か」ということより「何が真実だという話になったか」がはるかに重要です。社会学者のマックス・ウェーバーが喝破する結果責任の言葉通り、「何が真実だという話になったか」に有効な影響を与えられなかった以上、今頃何を言っても「負け犬の遠吠え」です。
おっしゃる通り。
ゲームのルールは今更変えられない。
先日も書いたが、
ぼくらは生きる時代を選べない。
そしてこの21世紀初頭の日本は、
「空気を読める人」が、
「空気を読まない人」よりはるかに生きやすい。
でもぼくは、
負け犬で上等。
遠吠えで結構。
ゲームはやめたのだ。
●昨日の情熱大陸に出ていた映画美術監督・種田陽平は流行にわざと背を向けているとか●「ぐるりのこと」(橋口亮輔監督)をDVDで。リリー・フランキーがとってもいい味を出していた。ただちょっと長かった。
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