2009年7月6日月曜日

表情

茂みに何かがいる。

身の危険を察知した動物は、
とりあえず牙をむき、
唸り声を出して威嚇する。

でも、
茂みから出てきたのが仲間だったら、
牙をむいた顔を緩める。
相手に敵意はないことを示すためだ。

それが笑顔の起源なのだそうだ。

キムタクが「MR.BRAIN」で言っていたから、
たぶん間違いないのだろう。

人間には今も、
「野性」が色濃く残っている。
というより、
人間なんて、
「野性に理性の皮を被せただけ」というべきかもしれない。



男子プロテニスのロジャー・フェデラーが、
ウィンブルドン男子単を制した。

決勝戦の相手アンディ・ロディックは、
この試合大健闘、
フェデラーから2ゲームを奪って2セットを取ったが、
タイブレークで2セットを失った。

最後の最後、
唯一落したゲームが、
勝敗を決する第5セット第30ゲームだった。



フェデラーはグランドスラム大会15勝目。
ついにサンプラスを抜いて、
史上最強のテニス選手となった。

ボルグ
サンプラス
フェデラー

歴史的3選手に共通するのが、
「無表情」ということだ。
チャンスでもピンチでも、
喜怒哀楽をほとんど表わさない。



表情に出すということは、
相手に自分の内面をさらけ出すことだ。
勝負事では手の内をさらさないという意味で、
無表情は大切かもしれない。

しかし、
それ以上に大事な点は、
「野性」の部分である表情は、
理性にまで影響を与えるという事だ。

よく言われるように、
悲しいから泣くのではなく、
泣くから悲しいのだ。

悔しい顔をするから悔しくなる。

今日の試合に関する限り、
フェデラーとロディックの差は、
そのあたりにもあったように思う。



自分の中の野性を飼い慣らす。

いや待てよ、
でもそれじゃぁ、
自分の中に、
動物園を作るということか?

何だか嫌だな。


●いつもウィンブルドンの決勝になると、期末試験勉強をしながら見ていた日々を思い出す●天満「じゃず家」のセッションに。今月から第一日曜日にも行われることになった。

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