2009年7月8日水曜日

紅蓮

パチンコ店にガソリンをぶちまけ火を放ち、
4人を殺した男の名が「素直」とは、
何ともやるせないが、
この事件は、
裁判員制度で下される初の「死刑」判決になるかもしれない。



なぜこんな事件を起こしたのか。
取り調べでも裁判でも、
男の「動機」探しが行われるだろうが、
分かりっこないし、
分かる必要もない。

「心の闇」という言葉は、
手あかがついて好きではないが、
人の意識について冷静に考えれば、
確かにそこは「闇」だと言える。

凶悪犯だけではなく、
人の心はすべて「闇」なのだということを、
ぼくはほとんど確信している。



ただ、
人生に絶望したのなら、
一人自殺すればよいものを、
他人を道連れにしようとする心理は、
ある程度解明できるかもしれない。

男は放火後、
しばらくの間、
紅蓮の炎を上げる店を見ていたという。
放火犯の典型的な行動だ。

その間、
男が覚えたであろうカタルシスを想像すると、
早く死刑にすればよいとも言えまい。



男の心中は今、
後悔より満足感の方が勝っているのではないか。
数人の人生を絶ち切った自分に酔っているかもしれない。

そんな思いを男にさせたまま、
死刑にしてはいけない。
殺してしまっては、
男はもう何も感じることはないのだ。

「死」を超えた紅蓮の苦しみを与えなければならない。

それは何だろう。

正気を保ったまま、
1分1秒でも長く苦しませる方法は。

どこにも逃げ場のない、
永遠の痛みは。

男に心底「殺してくれ」と懇願させ、
それでも尚生かし続けるには。



殺して終わりでは、
知恵がなさすぎるではないか。


●通勤途中の宝くじ売り場で、生まれて初めて「ロト6」を買ってみた。

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