Old fogey almost did it
全英オープンの優勝を逃したワトソンは、
インタビュアーにこう語ったという。
直訳すると「時代遅れがほぼやり遂げた」。
もちろん悔しいに違いないけど、
やせ我慢じゃなくて、
たぶん本心だ。
昨日さんざん嘆いておいてなんだけど、
ぼく自身、
ワトソンの敗戦を目の当たりにした時、
天を仰ぎたくなるような気持ちの中に、
一種の諦念があったことに気づいた。
仕方ない。
そう言えてしまうから、
そう思えてしまうから負けたともいえるが、
それもアリかと受けとめられるのは、
やはり人間としての器の大きさではなかろうか。
やり遂げるといえば、
人類が月に立ってから40年ということで、
メディアがいろいろ特集している。
That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind
「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」
船長だったニール・アームストロングのあまりにも有名な言葉だ。
アポロ11号で月に1番目に立った彼と、
2番目のバズ・オルドリン。
人類史に残る二人のその後は対照的だ。
アームストロングはマスコミを避けるように隠遁生活を送り、
オルドリンは逆に積極的に表舞台に出て、
宇宙開発のPR役を務める。
そのオルドリンは先日、
映画「MOON」の宣伝で来日した。
その時「今日は記念すべき日だ」と語った。
それは、
月着陸に関係したことではなく、
彼が断酒して30年目の日だったのである。
彼は月から帰還した後、
「2番目の男」であることなど、
さまざまなストレスから、
アルコール依存症とうつ病になってしまった。
それを克服して今の彼はある。
現在79歳。
断酒して30年の道のりは、
月に立ったプロセスと同じくらい、
彼にとって重要なのだろう。
ワトソンもオルドリンも、
自分が達成したこと、
できなかったこと、
そのすべてを引き受けて歳を重ねている。
その人生の到達点から見れば、
全英に敗れたことや、
月に行ったことなど、
小さなことなのだ。
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