昼ごろ起きて階下に降りると、
たなかりかさんの「Colors」が届いていた。
彼女の初メジャーCDだ。
初めて彼女の歌を聞いてから、
かれこれ5年ぐらいにはなる。
決して熱心なファンではなかったが、
年月を経てこうして結果を出した彼女を思うと、
やはり嬉しい気持ちになる。
そうしていたら夕方、
磯崎憲一郎氏が芥川賞受賞のニュース。
年齢がほぼ同じで、
同じ会社員(三井物産とは知らなかったが)であることもあり、
デビュー作「肝心の子供」から注目してきた。
受賞作「終の住処」は、
新潮掲載号を買って読んだ。
受賞インタビューで自身が述べているように、
「時間」がこの人のテーマで、
デビュー作から文章の密度はどんどん増し、
表現したいことの焦点が絞りこまれてきている感じがしていた。
半年に一作、
原稿用紙100枚ほどの短編を書き、
一昨年の文藝賞、
昨年の芥川賞候補、
そして今回の受賞。
まさに計画通り登頂に成功したという感じだろう。
もちろん、
メジャーデビューしていない素敵な歌手は一杯いるし、
芥川賞をとっていない優れた小説家も大勢いる。
でも、
彼らが「切符」を手に入れたことは間違いない。
他人よりより早く、
より遠くまで行ける切符。
それがないと「中」へ入れない切符。
先日のクローズアップ現代で、
このあいだ亡くなった囲碁の藤沢秀行名誉棋聖を取り上げていた。
入院中の病院で亡くなる寸前、
筆を手にした藤沢氏は、
一気にこの五文字を書いたという。
強烈な努力
おととし死んだ親父の姿を見て、
今際の際の人間は普通、
鉛筆一本持てないほど衰弱するものだと知っているだけに、
藤沢氏の、
余りに力強い筆致に驚嘆した。
強烈な努力
それなくしては、
切符を手にすることはできない。
強烈な努力
何と激烈な遺言か。
●実際の文字を載せようと探し回ったが見つからず、挙句の果てにNHKオンデマンドの会員になってしまった。30分のクローズアップ現代が210円とは高すぎないか?●石川遼の全英挑戦。初日はタイガーと回るという。世界中が彼らに注目する●イチローがオバマにサインをもらって喜んだ。逆だろ、普通は。いや、やっぱオバマか?
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