ボクシングバンタム級の長谷川穂積が、
11連続防衛に挑んで敗れた試合のテレビ中継を、
人に頼んでブルーレイにダビングしてもらった。
ボクシングど素人のくせに何で?
4月30日、
ぼくはたまたま会社でその試合の中継を見ていた。
どうせ長谷川勝つんでしょ、
みたいな気持で。
それがまさかの4ラウンドKO負け。
その時の印象がとても強くて、
もう一度ちゃんと見てみたかったのである。
それはつまり、
素人目にも何かこの試合が、
ボクシングの奥深さをたたえたているように映ったということ。
これは、
残り10秒を切って、
モンティエルの左カウンター受けた長谷川が、
ロープに追い詰められ連打を浴びている場面。
左手をロープに巻きつけ、
ダウンしないようにしているように見える。
ぼくはこれが不思議だった。
ボクサーの本能?
でも、
とりあえず倒れていれば、
十分挽回できる試合だっただけに、
惜しいと思った記憶がある。
録画を見て理由が分かった。
リングに上がる直前、
トレーナーが長谷川にこう話しかけていた。
俺らには、何もない時に公園でやってきたっていう、苦しい時を乗り越えてきた雑草魂がある。だからその挑戦者の気持ちで行こう
さらに、
トレーナーはこう続けた。
それとあと、お母ちゃんのために尻餅つくわけに絶対いけへん
長谷川のお母さんは、
ガンと戦っているのである。
母親のために、
絶対に尻餅はつかない。
だからこそ、
あの時、
モンティエルの猛烈な連打を浴びながらも、
最後までリングに立ち続けたのだ。
それに気付いて、
しばし感動してしまった。
11分59秒。
長谷川がKO負けするまでの時間には、
いまのぼくには解析不能の、
ものすごいものが凝縮されているような、
そんな気がする。
宝箱を手にした気分。
●長谷川は年内にも再戦するという●ひさびさチョコパを食べました(笑)●写真はスポーツ報知のサイトから拝借しました。
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