2010年6月27日日曜日

宝箱

ボクシングバンタム級の長谷川穂積が、
11連続防衛に挑んで敗れた試合のテレビ中継を、
人に頼んでブルーレイにダビングしてもらった。

ボクシングど素人のくせに何で?

4月30日、
ぼくはたまたま会社でその試合の中継を見ていた。

どうせ長谷川勝つんでしょ、
みたいな気持で。

それがまさかの4ラウンドKO負け。

その時の印象がとても強くて、
もう一度ちゃんと見てみたかったのである。


それはつまり、
素人目にも何かこの試合が、
ボクシングの奥深さをたたえたているように映ったということ。













これは、
残り10秒を切って、
モンティエルの左カウンター受けた長谷川が、
ロープに追い詰められ連打を浴びている場面。

左手をロープに巻きつけ、
ダウンしないようにしているように見える。

ぼくはこれが不思議だった。

ボクサーの本能?

でも、
とりあえず倒れていれば、
十分挽回できる試合だっただけに、
惜しいと思った記憶がある。


録画を見て理由が分かった。

リングに上がる直前、
トレーナーが長谷川にこう話しかけていた。

俺らには、何もない時に公園でやってきたっていう、苦しい時を乗り越えてきた雑草魂がある。だからその挑戦者の気持ちで行こう

さらに、
トレーナーはこう続けた。

それとあと、お母ちゃんのために尻餅つくわけに絶対いけへん

長谷川のお母さんは、
ガンと戦っているのである。

母親のために、
絶対に尻餅はつかない。

だからこそ、
あの時、
モンティエルの猛烈な連打を浴びながらも、
最後までリングに立ち続けたのだ。


それに気付いて、
しばし感動してしまった。

11分59秒。

長谷川がKO負けするまでの時間には、
いまのぼくには解析不能の、
ものすごいものが凝縮されているような、
そんな気がする。

宝箱を手にした気分。

●長谷川は年内にも再戦するという●ひさびさチョコパを食べました(笑)●写真はスポーツ報知のサイトから拝借しました。

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