東北で被災したお年寄りが、
「この地震は、現代人への天罰じゃ」
とつぶやいたならわかる。
しかしそれが、
大東京のトップの発言だとなると、
意味合いが全く違ってくる。
放言癖で知られる石原都知事も、
今回ばかりはさすがに謝った。
しっかし天罰ってねぇ。
隕石で恐竜が全滅したのも天罰かね。
この地震と津波は、
あくまで自然現象である。
だからあえて言うなら、
原発の件も含め、
自然現象が大災害になったのは、
突き詰めれば人間の備えの甘さ、
いわば「人災」である。
石原知事の発言が問題なのは、
備えを万全にしておく責務がある、
首長という立場の人が、
自分の責任を転嫁しているように思われるからである。
同じようなことが別にもあった。
原発トラブルや無計画停電に業を煮やした菅首相が、
東京電力に怒鳴りこんだというのだ。
一瞬、
胸のすくような出来ごとに思えたが、
これもまたおかしい。
そもそも、
原子力政策を進め、
業界をこれほどの隠蔽体質にしたのは政府である。
首相が東電に文句を言うのは、
お門違いなのである。
それに、
今回の一件は、
つまるところ、
政府が危機管理能力を欠いているということを、
図らずも露呈したのであり、
政府の対応が後手後手に回っているのも、
むべからぬところだと、
納得させる結果となった。
迅速で正確な情報を把握できぬ政府など、
だれが信頼できるだろう。
石原知事にせよ、
菅首相にせよ、
お粗末な首長には、
いずれ自身に「天罰」が下るだろう。
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