ぼくが働く会社は、
製品を通じて社会に日々何かを伝えている。
ぼくは製品作りの一部門に所属し、
裏方の仕事をしている。
だから自分の仕事がユーザーに、
どのように受け止められているのか、
実際のところは良くはわからない。
ユーザーの反応、
肉声が直接ぼくの耳に届くことは、
まぁないと言っていい。
ところが今日、
ちょっと珍しい形ではあったが、
数人の「ユーザー」からじかに「良かった」と言ってもらえた。
ある女性は「よくわからないけど、涙が出た」と言った。
ぼくの方こそ涙が出そうになった。
それは、
褒めてくれた仕事が、
まさにぼくが渾身の力を込めたものだったからだ。
自分で会心とは思っていたが、
その製品への思いが、
ちゃんと届いていたんだと知って感激した。
大げさに言えば、
これで会社をいつ辞めてもいいと思った。
本来ぼくの仕事は、
過度に個性を出すというより、
間違いのない無難なものが尊ばれるのだが、
その時の製品には、
ぼくの個人的感情というか、
人生すべてを昇華させたようなところがあって、
普段なら提案段階で99%、
撥ねつけられるような内容であった(と思う)。
だがその時だけは、
たまたま提案が通った。
通ったというより、
誰もかれも忙しくて、
あんまり相手にしてくれてなかったのだ。
実にラッキーだった。
誰からも期待されず、
放置されていたからこそ、
自分のやりたいようにやった。
その半ばヤケクソの情熱が製品という形になった時、
社内の空気を変わった(と思った)。
度肝を抜いてやった(と思った)。
というような「奇跡的」な経緯を経て、
それは結局誰にもケチをつけられることなく、
そのまま製品化された。
入社して22年になるが、
間違いなく個人的に最上で最高の仕事だった。
そして恐らく今後この会社で、
この仕事を自分が超える事はない。
そんな風に言いきれる仕事を、
たった一つではあるが出来たことを幸せに思う。
ちっぽけだけど、
サラリーマンの本望だ。
●怒涛の2週間を経て、やっと日曜日は一息つける●フジテレビの佐々木恭子アナウンサーが鳴尾高校出身って、全然しらなかったー。佐々木恭子自体を知らないのだから当たり前だけどー(笑)
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