夕方出勤するや否や、
年に一度ぐらいしか話をしない上司が、
ぼくのところへやってきた。
実際、
この前に話したのは、
去年のこの時期、
同期がぼくの上司になると伝えにきた時だった。
あの時は何か嬉しそうな笑顔だったが、
今日はまさにこれぞ「渋面」という表情をしてる。
何かミスったか!
と振り返る間もなく、
「お前なぁ」
「・・・」
「四月から・・・」
「●●にするわ」
・・・・!
●●って、
仕事上の資格のことで、
役職とはまた違う。
年齢とともに上がる、
まぁ定期昇給みたいなもんだ。
出世とは縁遠いぼくでも、
この年になればそういう事もあるわけだ。
でもまぁ、
退職金にかかわる事でもあるし、
決して悪い話ではない。
つまりこの上司は、
部下に朗報を伝達しているわけだが、
それにしては、
なんでこんなに渋面してるのかねぇ?
ということで、
ぼくも喜ぶわけにもいかず、
努めて冷静に、
「そうですか。ありがとうございます」とだけ返事。
すると、
その上司はあっという間にぼくの視界から消えた。
何か言いたくないけど、
仕方ないから言っておくわ、
みたいな印象だった。
やっぱりこの人には好かれてないらしい。
どうでもいいけど。
礼なんて言わなきゃよかったったぜ。
でもその上司はいざ知らず、
どこかでぼくを支持してくれる人もいるわけだ。
でなければ、
だれにでもある定昇すら、
ぼくにはない可能性だってある。
その誰かさんに感謝しつつ、
ただただ自分が納得する仕事をするのみ。
上司のために仕事してんじゃねぇ!
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