2012年8月3日金曜日

風化

内村の金メダルは、
具志堅以来28年ぶりの快挙ということだが、
具志堅が金をとったロス五輪は、
ソ連や 東ドイツなど西側諸国がボイコットした大会だったということを、
すっかり忘れていた。

同じ体操個人総合優勝といっても、
これは比較するのがおかしいほど、
内村の方がすごい。

マスコミがその点に全く触れないのは、
具志堅に配慮してのことだろうが、
そういうのはちゃんと説明した方がいいと思う。

もちろん触れているマスコミもあるだろうが。

ソ連がボイコットしたのは具志堅の責任ではないし、
金メダルは金メダルだという見方もあるだろうけど、
具志堅を引き合いに出すなら、
そこんとこをスルーしちゃまずい。

ただ、
28年もたつと、
ボイコットという事実は忘れられ、
金という結果だけが残るというのは、
ある種の教訓でもある。

発端とか、
経緯とか、
そういった諸々は、
時間の流れとともに風化し、
結果だけが残る。

だから結果が大事なのだ、
という見方もできるし、
本当は過程が大事なんだから、
結果などどうでもいい、
というか、
あまり結果に重きを置かない方がいい、
という見方もできるだろう。

内村にしても、
予選での失敗とか、
昨日の細々したミスなんかはいずれ忘れ去られ、
テレビでもビタッと決まった場面ばかりが、
繰り返し延々と流され、
いつしか、
美しい日本の体操を体現した内村が、
28年ぶりに個人総合金メダルをとった、
という風に、
簡略化して歴史になっていく。

歴史に刻まれるのは、
まさにそういう簡略化された記号であって、
だから、
大事であり、
大事じゃない。

何事につけ曖昧なまま物事を変化させるのが、
大のお得意な日本では、
特に気をつけたい。

●今女子個人総合をやっているのだけれど、いまだもってコマネチの演技は凄かったと思う。




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