2009年11月21日土曜日

眠目

阪神が今年のドラフト1位指名した、
法政大学の二神一人投手のモットーは、
「年中夢求」だそうだ。

「年中無休」に引っ掛けた駄洒落だが、
なかなかうまいこと言うもんだ。


夢という言葉は「眠目(いめ)」、
つまり寝ている時に見る夢から来ているらしくて、
「将来の希望」という意味で使われるようになったのは、
比較的新しいという。


最近よく夢を見る。

というか、
見た夢を覚えていることが多い。

それはいつも眠りの覚めぎわ、
つまり最後に見ていた夢だ。


夢の中で、
自分は結構ヤバイ状況におかれているのだけど、
「でもこれって夢じゃないの?」と考え始める自分がいて、
次第に夢の中で起きていることが、
論理的におかしいことを検討しだす。

最後には「だってここはぼくのベッドの上じゃないか」と思い、
そのころにはほとんど覚醒していて、
最後に目を開けて「ほらやっぱり夢だろ」となる。

焦っている自分と、
冷静に「まてよ」と思う自分が、
同じ頭の中で同居している事態は、
我ながら興味深い。


夢中の人は我を忘れているが、
夢の覚め際って、
自分を客観的に眺める究極の状態ではないか。

スポーツ選手が「ソーン」と呼ぶ状態や、
ステージ上の歌手や役者が、
自分自身を上から眺めているような状態というのは、
そういうことなのかもしれない。

臨死体験にも似たような話があったな。


そういう風に、
いつも夢の覚め際のような感じをもてたら、
それは人生の極意かもしれない。

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