2009年12月5日土曜日

弔辞

他人の話をうつらうつらと聞いていたら、
不意に名前を呼ばれ、
「次はお前がしゃべれ」と言われた。

100人ぐらいの人がアトランダムに喋っているのだから、
まったく当たることがないと高をくくっていたわけではない。

かといって当たるかもしれないと、
何がしかの心の準備をしていた訳でもない。

つまり完全な不意打ちだった。


パスするという選択肢も、
歌うという裏ワザも思い浮かばず、
条件反射のように前に進み出てマイクを握った。

これほど無防備な状態のぼくが何を喋るのだろう。

自分に対する好奇心だけがあった。


果たして内容はとりとめなく、
声は抑揚を欠き、
さっぱり精彩のない散々な結果となった。

がしかし、
それでもさして混乱することもなく、
この口をついて出た言葉は、
一体ぼくのどこから湧いてきたのだろうか。


遠ざかる、
いくつかの自分の姿が頭に浮かんだ。

笑えるほどに愚かな自分の思惑。

泣けてくるほど哀れな行動。


わずか数分のスピーチは、
そんな在りし日のぼくへの、
現在のぼくからの弔辞だったのだ。


●ペンギンさんは「THIS IS IT」を予約したというではないか。先を越された!●W杯組み合わせ抽選。日本の初戦はカメルーン。オランダ、デンマークと一緒のE組だ。これで文句を言ったら罰が当たるだろう。

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