2009年12月19日土曜日

休刊

学生時代決まって読んでいた雑誌は、
漫画を除けば「朝日ジャーナル」だった。

「硬派」
「左寄り」

様々な捉え方があったけど、
本当に世の中への目を開かしてくれる雑誌だった。


「Forsight」は久々の定期購読雑誌で、
今度は世界に目を開かせてくれると期待していた矢先だったから、
休刊は本当にショックだ。


同誌の創刊は1990年3月。

何とぼくが社会人になった翌年のことだ。
新潮社の文庫本なんかに、
宣伝のチラシが入っていることが多かったので、
ずっと気になっていた。

20年たってようやく踏み切ったところ、
いきなり休刊だもの相当に参った。


「Forsight休刊のお知らせ」というメールが来たのは16日のこと。

その中で理由が3点上げられていた。

(1)厳しい出版状況に直面する中で、全社的な事業の再編、特に雑誌部門の見直しが避けられなくなったこと
(2)二十年間の健闘はあったものの、今後の収支改善の見通しが立たないこと
(3)インターネットの普及で、国際政治経済情報を扱う月刊誌の役割が大きく変化したこと



新聞報道によると、
発行部数は2万2000部余りという。
一冊1000円だから、
2200万円で一号作られている計算になる。

それが採算に合うレベルなのかどうかは、
ぼくにはちっとも分からないけど、
恐らく赤字だったのだろう。

20年まで持ちこたえたのは、
大手出版社だということと、
それなりの矜持があったものと思う。


にしても、
こうした良識ある雑誌がなくなるのは、
なにか取り返しのつかないことではないか。

例えば岩波書店の「世界」が休刊するとしたらどうだろう。
朝日新聞社の「朝日カメラ」が季刊になるとしたらどうだろう。


優れた雑誌は言うまでもなく「文化」だ。
公的資金を投入しても、
とは極論にしても、
何か方策はないものだろうか。

何事にも潮時というものがあって、
紙媒体も本格的に退潮の時が来たのだなと実感させられる。


●両誌に共通するのは広告が少ないという点だ。その視点から見ると、次に読むべき雑誌は「週刊金曜日」しかない。

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