イラク戦争を批判した「華氏911」や、
銃社会に異議を唱えた「ボウリング・フォー・コロンバイン」で知られる、
映画監督マイケル・ムーア氏が来日していた。
新作「キャピタリズム」の宣伝のためだ。
彼がNHK「クローズアップ現代」に出演していた時、
「資本主義は悪だ」と言い切っていた。
その昔、
イギリスの首相だったチャーチルは、
「民主主義は最悪」とも言っている。
資本主義は悪
民主主義は最悪
そう悪態をつきながらも、
とりあえず「資本主義」で「民主主義」であるのは、
単にぼくたちがそれよりマシな政治態勢を、
考え出せないということに過ぎない。
ベルリンの壁が崩壊した時、
資本主義の社会主義に対する勝利だと、
ぼくは心底思ったわけではないが、
冷戦という厄介な荷物がようやく降ろせたのだとは感じた。
だって社会主義は窮屈で暗く、
資本主義は自由でハッピー。
そんな教育しか受けてこなかったのだから。
あれから20年たって思うのは、
人間の叡智の最新の到達点が「最悪」ならば、
人間の存在そのものが「最悪」なのかもしれないということだ。
それは言い過ぎだとしても、
これから起きるであろう変化が、
必ずしも良い方向であるという保証はどこにもない。
少なくともそういうことに自覚的になった分、
ぼくは成長したかもしれない。
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