2009年12月14日月曜日

義賊

ジョニー・デップが主演しているという、
ただそれだけの理由で「パブリック・エネミーズ」(マイケル・マン監督)を観た。

1930年代のアメリカで、
「公共の敵」と呼ばれた実在のギャングと、
FBIとの追いつ追われつを描いた作品だ。


日曜の午後とあって映画館はほぼ満席。
実際かなり期待していたのだけど、
ぼくは途中で腕時計を見てしまった。

それぐらいの出来に思った。

やはり実話に引きずられるというか、
色々なエピソードを詰め込みすぎていて、
どれもが消化不良に陥ってしまったようだ。


それはともかく、
ジョニー・デップ扮するデリンジャーの恋人役が、
最初顔を見てもわからなかったのだけど、
声を聞いているうちに「エディット・ピアフ」でピアフを好演した、
マリオン・コティヤールだと気付いた。

それから劇中、
「BYE BYE BLACKBIRD」がスローバラードで流れる場面があって、
すごいいい声の歌手だなぁと思っていたら、
場面転換の間際、
ダイアナ・クラールが映っていた。


実在のデリンジャーは義賊みたいな存在だったようで、
大衆は彼とその仲間たちの犯罪の鮮やかさに、
喝采を贈っていたらしい。
日本でいえば石川五右衛門みたいなものか。

当時は世界恐慌の真っただ中。
世界中が暗かった。
犯罪といえどデリンジャーらはヒーローで、
彼らに出し抜かれるFBIは間抜けな引き立て役だった。

だからFBIは「公共の敵」なんてあえて名付けて、
威信をかけて彼らを追い詰めた。
ブッシュがイラクを「悪の枢軸」と呼んで、
戦争を正当化したのと少し似ている。


石川五右衛門は釜ゆでにされる時、
「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と、
辞世の句を詠んだとか。

デリンジャーも死ぬ間際、
ある言葉を言い残す。

そこは明らかに脚色なのだけど、
それにぼくは少しグッときた。

●キムタクが海パン一丁になって熱湯風呂に入るシーンを目撃した。ちょっと驚いた。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...