イギリスの人形劇「サンダーバード」が、
「雷鳥」という意味だと意識したのは、
JRの特急「雷鳥」が、
「サンダーバード」と呼び名を変えた時だった。
そのサンダーバードに乗って、
福井・芦原温泉にやって来た。
1月の北陸といえば、
当然雪景色を予想していたのだが、
ここは見事に積もっていない。
ホテル5階の部屋から見える景色は、
見晴らしは確かに良いのだが、
見えるのは刈り取られた田んぼばかり。
せめて雪が覆っていれば風情もあろうに、
5分とたたぬうちに飽きた。
あとはただ温泉につかり、
今年1年分と思えるほどのカニを食べた(もちろん冷凍だが)。
ほかにすることや行くところもなく、
すっかり時間を持て余している。
お供の母はとっくに夢の中だ。
世間は仕事始めで、
本格的に2010年がスタートしたというのに、
こんなに長閑にしていてよいのだろうかと、
普通なら少しは焦ってもよさそうなものだけど、
そんな感じにもならず、
どこか別世界の出来事みたいにテレビニュースを見ていた。
健康で仕事もあって、
それは十分喜ばしい。
しかしそれとは別次元で去年とほとんど変わらぬ自分に、
満足していいのだろうか、
あるいは苛立つべきなのか。
それすら分からない。
きっとこれが正月ボケなのだろう。
ここまで書いて、
雷鳥の英訳はGrouseであって、
決してサンダーバード(Thunderbird)ではないことが判明した。
サンダーバードというのは、
アメリカ先住民族に伝わる、
伝説上の鳥に由来しているのだという。
「雷」と「鳥」を英単語を置き換えただけと納得していただけに、
かなりな驚き。
少なくとも十数年はそう信じてきた。
でもそう言われてみれば、
人形劇の方の「サンダーバード」の意味が「雷鳥」というのも、
冷静に考えれば不思議な話だった。
何となく納得していて、
実は大違いって話、
一杯ありそうだ。
●外で雷が鳴っている。ひょっとしたら、朝起きたら一面銀世界なんてことになっていたりして。
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