2010年1月18日月曜日

等身

石井一男氏、
いきなり「情熱大陸」に出ていてびっくり。

ていうか、
ぼくのアンテナが錆びているだけかもしれないが。

「奇蹟の画家」でも石井氏の寡黙さというか、
口下手ぶりは書かれているが、
番組中、
ほとんどまとまって意味のある言葉を喋っていないところが凄い。


言葉ってどんなに饒舌を尽くしても、
結局心のすべては表現しきれない。

そういう意味では、
すべての言葉は偽りだ。

恐らく石井氏は言葉のそういう性質を直感していて、
だから絵で自分を表現しているのだろう。

何かのテーマを描くというのではなく、
散歩しながら風景を愛でるように、
毎日毎日、
絵筆を黙々と動かしながら、
氏は自分の中を散歩して、
見えた景色を投射しているのだろう。

キョウノワタシハナニモノカ

画家の描くものはすべからく自画像だと思うけど、
氏にとっては特にそうであって、
女神像を何千枚描いても、
氏にとってはすべて違うものなのだし、
特段、
他に題材を見つける必要もないのだろう。

そういう作業を何十年と繰り返しているからこそ、
氏は常に等身大でいられるに違いない。

自分を等身大で見つめ続けること。
それはすごく難しいことだ。


いずれにせよ、
氏の作品に魅かれるということは、
氏そのものに魅かれるということであり、
それは自分の中に、
氏と通じるものがあると感じるからに他ならない。

●なぜか氏にあったことがあるような気がした●氏の作品は1点数万円するらしいが、部屋の棚には未完の作品が恐らく数千枚あった。盗難とかなきゃいいけどと余計な心配●「フリークス」(トッド・ブラウニング監督)をDVDで。強烈。

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