前夜床についてからも、
凄い風の音と雷鳴はやまなかった。
にもかかわらず、
朝起きると雪ではなく雨。
ホテルの窓から見えたのは、
雪景色ではなく、
前日の田畑のままだった。
横殴りの風と雨。
おまけにひどく寒い。
チェックアウトの時間が迫り、
もうそのまま帰ろうかと思ったけど、
電車まで時間があるということで、
東尋坊にだけ行くことにした。
身を縮ませて路線バスに乗る。
幸い雨はやんだけど、
風の強さと寒さは相変わらずだ。
低く垂れこめた雲。
岩に砕け散る波。
立っているだけで辛いけど、
東尋坊には確かにこういう情景が似合う。
ぼくは事あるごとに、
「福井はいいところ」だと言ってきて、
それは十数年前に3年余り住んだ実感だったはずなのだけど、
こういう厳しい面を見せつけられると、
一体どこが良かったんだろうと、
自分の発言に疑問がわいてきた。
大体北陸は、
一年の大半を雲が垂れこめている。
「陰鬱」という言葉がぴったりの風土だ。
東尋坊の帰りもそのことを考えていて、
晴れたときの嬉しさ、
爽やかさが格別だったのだと気付いた。
たまに晴れるからこそ有難い。
要はコントラストの問題。
何事も陰影が強いほど、
印象は強く刻まれるのだ。
●それってつまり住まなきゃ福井の本当の良さは分からないということだ●だから来年の正月旅行はもっと暖かいところにしようと決めた●でもお陰で正月ボケは脱せそうだ。
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