「告白」(湊かなえ著、双葉社)を買ってしまったのは、
映画化されるという話を聞いたことに加え、
「陰日向に咲く」が予想外に面白かったことがあったと思う。
これまでずっと避けてきたのに、
つい手を伸ばしてしまった。
一言で、
救いようのない暗い内容だった。
第一章、
中学校の女性教師が終業式で生徒に語る、
モノローグに近い内容はショッキングで、
そのインパクトで最後まで一気に読んだけど、、、
著者は登場人物のすべてについて、
詳細な人物造型をしてから書くそうだ。
この小説のような教師や生徒や親が、
今や当たり前だとは思えないけど、
ある部分の本質を突いているのだろう。
今の教育の抱える「負」の部分を寄せ集め、
ミステリー風味を加えた、
という感じ。
とにかく後味が悪い。
後味が悪いことは必ずしも悪い事というわけじゃない。
映画「ノー・カントリー」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。
本なら「決壊」。
どれも後味は悪かった。
そんな悪い後味の記憶は妙に残る。
決して作っていて楽しくはないであろう、
そういう救いのない作品が創作され、
鑑賞されるということは、
一体どういうことなのだろう?
現実から目をそらすな、
ということなのだろうか、、、
●いずれにせよ本屋大賞はもう信じない●「ライ麦畑でつかまえて」もあんまり後味がよくなかったような、、、
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