2010年1月31日日曜日

後味

「告白」(湊かなえ著、双葉社)を買ってしまったのは、
映画化されるという話を聞いたことに加え、
「陰日向に咲く」が予想外に面白かったことがあったと思う。

これまでずっと避けてきたのに、
つい手を伸ばしてしまった。


一言で、
救いようのない暗い内容だった。

第一章、
中学校の女性教師が終業式で生徒に語る、
モノローグに近い内容はショッキングで、
そのインパクトで最後まで一気に読んだけど、、、


著者は登場人物のすべてについて、
詳細な人物造型をしてから書くそうだ。

この小説のような教師や生徒や親が、
今や当たり前だとは思えないけど、
ある部分の本質を突いているのだろう。

今の教育の抱える「負」の部分を寄せ集め、
ミステリー風味を加えた、
という感じ。


とにかく後味が悪い。

後味が悪いことは必ずしも悪い事というわけじゃない。

映画「ノー・カントリー」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。
本なら「決壊」。

どれも後味は悪かった。
そんな悪い後味の記憶は妙に残る。


決して作っていて楽しくはないであろう、
そういう救いのない作品が創作され、
鑑賞されるということは、
一体どういうことなのだろう?

現実から目をそらすな、
ということなのだろうか、、、


●いずれにせよ本屋大賞はもう信じない●「ライ麦畑でつかまえて」もあんまり後味がよくなかったような、、、

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