「タイタニック」が1年半かけて築いた興行収入記録を、
「アバター」がたった39日で抜いた。
13年間、
どれほどのヒット作でも決して破れなかった記録が、
こんなにあっさり塗り替えられたことに驚く。
シネコン全盛の今と1997年当時とでは、
上映映画館の数がそもそも違うのだろうけど、
それにしてもキャメロン監督は一人別次元を行く。
ただ、
アバターがそこまで名作だったのかは疑問だ。
ぼくはタイタニックはDVDを持っていて、
年に1度ぐらいは観て涙するのだが、
アバターはそうはならないだろう。
ところで、
今日27日から、
英国滞在暦に関する献血制限が緩和されるという。
何のこっちゃと思いながら読んでいると、
これまで、
1980年から1996年までに1泊でも英国に滞在した人は、
献血をできなかったということを知った。
狂牛病の予防のためだったというが、
そんなことちっとも知らなかった。
緩和されることより制限があったことの方が驚きだ。
日本赤十字社の広告には次のようなコピーが載っている。
人間を救うのは、人間だ
決して神様ではないわけだ。
「DAWN(ドーン)」(平野啓一郎著、講談社)。
地球の近未来小説で、
その中に「分人」という概念が出てくる。
といっても難しいものではなく、
人は職場や家庭や趣味の世界や、
様々な場面で様々な顔を持つ。
その1つ1つの顔を「分人」と表現しているのだ。
「ドーン」の近未来では、
誰もが幾つもの「分人」を所有しているのが当然のこととして描かれる。
人類初の有人火星探査に参加した、
主人公の日本人「明日人」は、
2年以上にわたるミッションの間に過酷な体験をし、
ついには薬物依存になって地球に帰還する、、、
終盤、
立ち直りつつある明日人は、
自分の体験をブログに掲載する文章を書き記す。
それを読み返しながら彼は思う。
役に立つから生きていていいのではない、生きているから人の役に立ちたいのだとハリスは言った。明日人は、その言葉の意味を改めて考えた。
これまで書いてきた物語の辛く苦しかった一つ一つの場面が、やがては明るい結末へと回収される伏線に過ぎないものとなるためには、何が続いて、何が変わらなければならないというのだろう?世界中を顰蹙(ひんしゅく)させたこの主人公は、どうすれば、これからまた人々に受け容れられる存在になるのだろうか?傷つけてしまった人と、犯してしまった過ちに対して、今後主人公がどう生きてゆけば、人はまた彼を愛するようになるのだろうか?……(中略)誰に対して何をする主人公であれば、この物語は明るく、愛らしい結末へと向かっていくのだろうか?どうすれば、彼自身が、この書きかけの物語の主人公を愛することが出来るのだろうか?
ここで胸が詰まった。
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