2010年5月3日月曜日

他者

出勤途中のドトール。

GWだからか、
いつもと雰囲気が違う。

注文していると、
横を女性二人組が、
注文より先に、
席を確保しようと喫煙コーナーに行った。


ひょっとして、
席ないかも、、、

そんなことを思って、
アイスコーヒーを受け取ると、
ぼくは慌てて席探しに向かった。


よかった。

空いてる。


その時背後から声がした。

「お客さま~お釣りです~」

「!」


そうだ、
一万円渡したんだっけ。

かなり恥ずかしかった。


やっと席について、
読みかけの本を開くと、
こんな一節に出くわした。

 声はどこからかけられても、それがじぶんに向けられたものか別のひとに向けられたものか、たいていはわかる。


そうなんだよな。

背後から「お客様」と呼ぶ声が、
ぼくに向けられたものであることを、
ぼくはほとんど瞬間的に気付いた。

「視線」みたいに、
「声線」もあるのかもしれない。


ところで、
読みかけの本は、
「じぶん・この不思議な存在」(鷲田清一著、講談社現代新書)。

先日、
元町の海文堂で思いつきで買った。

間違いなくヒットだと思う。

「わたしはだれ?」を真正面から問う本書。

「声線」などと、
余計なことを言って誤解されては困るので、
もう一文引用しよう。

 他者への最後の通路をも失ったとき、そのときに、ともに途方にくれているひとの存在を、しかも通路を欠いたままはすかいに感じることで、かろうじておのが身をささえうるということがありうる。

●著者は哲学者で現阪大総長です●石川遼ツアー新記録「58」。やることがド派手。

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