テレビ朝日系「臨場」が面白い。
警察の検視官が主役のドラマで、
昨年第1シリーズが放映されたらしいが、
それは全然知らずに今の第2シリーズを見ている。
横山秀夫の原作も読んでないので、
どれぐらい原作に忠実なのかもわからないのだが、
とにかく脚本が秀逸だと思う。
いささかご都合主義的で、
ベタと言えなくもないんだけど、
人間のドロドロした、
通り一遍の言葉では表現できないような部分を、
検視官という職業を通じてあぶりだす。
昔、
「死体は語る」という本があったと思うけど、
死体や、
死体のある状況というものが、
これほど雄弁に語るものだと、
感心させられる。
主役の内野聖陽が、
ぼくと同じ年齢の検視官を演じていて、
そのいささか過剰にも思える演技が、
地味で暗くてダサい話を、
グイグイと引っ張っている。
第5話「カウントダウン」は、
独居老人の孤独死を題材にしていた。
ダイイング・メッセージというか、
死を選ぶことで伝えたかった、
おじいさんの思いが切なかった。
だれにでも人生の中には、
その人なりに一番輝いていた時期がある。
孤独に死んでいく人はみな、
そういう記憶を反芻しながら、
生きているのだろうか。
誰とも分かち合うことのできない思い出を、
たったひとりで抱えたまま、
永遠の眠りにつく日を待つのだろうか。
ぼくなんか、
この年でさえ時々、
昔味わった様々な感触が不意に去来し、
落涙しそうになることがある。
古いワインの底に溜まった澱のような、
淡いけど、
確かに存在する喜怒哀楽の感触。
そういうのに気付くことが、
多くなってきた。
これって、
お先短い予兆か?
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