2010年5月19日水曜日
適合
額縁に並んだ方々は、
母校の歴代の校長だ。
高校生活3年間で、
校長と話した経験は、
恐らく一度もない。
同じ学校にいながら、
ついぞ関わり合いになることのなかった、
学校の最高責任者、、、
ところで、
高校2年生の時の担任は、
その後別の高校で校長になった。
一国一城の主であるから、
さぞ気持ちよかったのかと思いきや、
教師生活で一番充実していたのは、
教頭の時だったという。
意外だった。
教頭といえば典型的な中間管理職。
現場と管理職との橋渡しだ。
上からにらまれ、
下から疎んじられ、
最も割が合わないポストだと思ってた。
校長になるための、
通過儀礼みたいなものだと。
しかし担任によると、
学校運営という点では、
教頭が一番やりがいがあったという。
きっと現場感覚を失わない管理職だったのだろう。
ちょっと持ち上げすぎた。
これはぼくの近年の持論だけど、
組織は生命体のようなもので、
自己保身の免疫システムを持つ。
組織になじまない「異物」は、
そもそも進入が許されないし、
仮に間違って取り込まれても早晩排除される。
特に「脳細胞」にあたる管理職ともなれば、
「異物」では絶対になれない。
組織に適合する者だけが選ばれるし、
「異物」である者には、
適合するよう変化することが求められる。
それは、
組織が生命体である以上、
そういうことが「自然」だと思えるようになった。
そうではない組織はいずれ崩壊するだろう。
サラリーマンとして20年生きた観察結果だ。
いずれにせよ校長になった方々は、
方法は様々なれど、
どうにかして組織に適合したということ。
額縁はその適合証明だ。
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