ボクシング世界戦をテレビ観戦した。
WBCバンタム級王者の長谷川穂積が、
WBO同級王者のモンティエルを迎え撃つ、
注目の一戦だ。
防衛に成功すれば11連続となる長谷川。
減量も順調で、
絶好調と言われた。
しかし相手も強敵。
開始のゴングとともに、
リングを覆ったのは、
世界一流同士の駆け引き。
その一つ一つは素人には難しく、
あまりに素早くて理解がついていかないのだけど、
反射神経の限界を超えた応酬すごさは、
ビシビシ感じた。
一回を終えてコーナーに帰った長谷川は、
「強いわ」
と言ったように見えた。
同じリングに立ち、
3分間こぶしを交えた時点で、
両者とも相手の力量を認め合った。
そんな風に感じた。
長谷川優位で進んだ4回も残り10秒。
このラウンドも長谷川のもの、
のはずだった。
それが、
モンティエルの左フックが当たって、
すべてがひっくり返った。
長谷川の腰が沈んだかと思うと、
モンティエルは猛ラッシュをしかけ、
長谷川はあっという間にロープ際まで追いやられる。
長谷川はダウンすまいと、
必死で左手をロープに絡ませる。
モンティエルもまた、
長谷川にダウンをさすまいと、
下から下からパンチを繰り出す。
結果的に長谷川はメッタ打ちされ、
ついにレフリーが割って入った。
2分59秒、
TKO負け。
ほんの一瞬の気の緩みが命取りとなり、
長谷川は5年間守った王座から陥落した。
長谷川が早々にダウンしていれば。。。
レフリーがあと1秒待ってくれていれば。。。
ボクシングの迫力とスピードと、
緻密さと残酷さを知った。
ボクシングの魅力が詰まった試合だった。
これまで長谷川は本当に強いチャンピオンだと思っていた。
この一戦で、
その評価は下がるということはなく、
むしろ、
こんな世界で5年も世界一であり続けたすごさを知ったように思う。
長谷川は負けたけど強い。
いいものを見たと思った。
●写真はSANSPO.COMから借用しました。
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