2010年8月11日水曜日

一節

小説でも音楽でも、
引き込まれるか否かは、
一節でありワンフレーズで決まる。













「悪と仮面のルール」(中村文則著、講談社)でいえば、
次の一節でぼくはハマった。

 人間は誰もが、自分が主役の人生を進む。それぞれの主役が集まり、それぞれの価値観や思い入り乱れ、この世界は動く。だが、ぼくはその主役から降りようとした。主役達が動くこの世界の中で、その隙間に漂い、自分自身の価値の全てを消し、運命のいたずらや偶然性が必要なら、人工的に、誰からも見えない場所で静かに作用する存在。生きながら消滅した人間が、ぼくの他にもいるだろうか。どこかにいるだろう、と僕はぼんやり思う。(117頁)

ぼくがまんま、
こういう心境な訳じゃないですよ。

だったらこんなブログなど、
書いてるわけがない。

それよりも文書のリズムというか、
いわゆる「声に出して読みたくなる」ってやつ。


話は飛んで。

宇多田ヒカルの「人間活動」宣言。

 これは「引退宣言」ではありません!でも、「休養」でも「充電期間」でも無いんです。
 むしろ熱心に、そして謙虚に、新しいことを勉強したり、この広い世界の知らないものごとを見て知って感じて、一個人としての本当の自分と向き合う期間になると思います。それは「アーティスト活動」とは違う、「人間活動」かな、と。


こっちは、
ピンとこなかった。

殺人的スケジュールに追われるアイドルじゃあるまいし、
アーティストと人間って、
充分両立できると思うのだが、、、

でも彼女なりに切実な思いがあって、
恐らく何年も温めた上での決断なんだろうけど、、、


話はまたまた飛んで。

JUJUがマイラバの「Hellow Again~昔からある場所」をカバーしてる。

自分の限界が どこまでかを 知るために
僕は生きてる訳じゃない


なぜか、
ここが好きだった。

●理屈じゃないんだな。引き込まれるかどうかは。

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