2010年8月21日土曜日

直視

ある時、
冷蔵庫の中にずーっと入れっぱなしにしていた食品が、
明らかにカビていることに気付く。

でも、
その様を想像すると怖くて、
ふたを開けれない。

冷蔵庫の中だから、
腐臭がするわけではないし、
とりあえずこのままにしておこう。

そうして、
冷蔵庫を開けるたびに、
その存在は無かった事にして、
ただ無為に時間が過ぎる、、、

そんな経験は、
一人暮らしをしたことのある男子諸君には、
だれだってあるはず。

いや、
ない男子もいるだろうが、
ある女子もいるだろう。


幼子二人をマンションに置き去りにし、
餓死させた幼い母がいた。

きっと彼女もある時点で、
子どもの死はわかっていたはずだ。
ただ、
怖くて見れなかった、、、

そんな風に心の内を想像してみる。

直視しなければならない事と、
そうではない事との区別が、
だんだんつかなくなった彼女。

我が子二人が飢え死にし、
腐っていく姿を頭から追い払おうと、
友人宅を転々とし、
W杯観戦に興じていた、、、

人はそんな風にして、
少しずつ狂っていくこともできる。


人と物を同じに扱うな、
とお叱りを受けそうだが、
その通り。

でも人は時に、
人を物として扱う。

アウシュビッツしかり。
カンボジアしかり。

100歳を超え尚、
生死を確かめようともせず、
時に年金を受け取り続ける。

そんな輩もしかり。


●真昼間に外出した。暴挙だ。愚挙だ。でも行かなくちゃ、、、不在を知らされ、頭の中が朦朧となった。そういえばそうだった!酷暑も人を狂わせる。

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