2010年10月7日木曜日

愛貧

亡き父の口癖は、


「貧乏は悪」

だった。

決して上品ではない言葉だけど、
若くして父親を亡くし、
何かと苦労した実体験から出たのだと思う。

確かに子どものころわが家にも、
夕食のおかずがモヤシいためだけだった、
なんて日もあったなぁ。

でも幸いなことに、
ぼくはモヤシいため大好きだったし、
わが家が貧乏だなんて、
ちっとも気づかなかった。


先日帰宅すると、
母が「愛の貧乏脱出作戦(愛貧)スペシャル」を見ていて、
なんとなくぼくもつられてしまった。

閑古鳥が鳴く飲食店の店主が、
一年発起して「達人」の元で修業するというこの番組。
すでに通常の放送は見てなかったけど、
スペシャルでは、
店主たちのもとを司会みのもんたが、
10年ぶりに「抜き打ちチェック」するという企画だった。

千載一遇のチャンスをものにし、
ずーっと繁盛を続けている店。
よかったのは最初だけで、
やっぱりダメダメに逆戻りの店。

結果は様々。

ぼくが見た限りだけど、
今でも繁盛している店は、
達人の教えを愚直に守り続けていた。

ただそれだけのことが、
出来る人と出来ない人。

10年たつとその差がこんなに出るのかと、
それは感動的ですらあった。

にしても、
駄目駄目な店主って、
愛想を尽かされそうになった時の、
懇願の仕方だけは「一流」なんだよなぁ。

すがりつく人。
土下座する人。

もぅいいってば。

画面につぶやく。

そんな時だけ必死なのは。

やっぱ薄情だな。

オレ。

●この番組、レギュラーでやってる時、ほとんど見てなかったけど、テレビ東京らしく製作費がかからず面白い、いい企画だなぁ。

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