亡き父の口癖は、
「貧乏は悪」
だった。
決して上品ではない言葉だけど、
若くして父親を亡くし、
何かと苦労した実体験から出たのだと思う。
確かに子どものころわが家にも、
夕食のおかずがモヤシいためだけだった、
なんて日もあったなぁ。
でも幸いなことに、
ぼくはモヤシいため大好きだったし、
わが家が貧乏だなんて、
ちっとも気づかなかった。
先日帰宅すると、
母が「愛の貧乏脱出作戦(愛貧)スペシャル」を見ていて、
なんとなくぼくもつられてしまった。
閑古鳥が鳴く飲食店の店主が、
一年発起して「達人」の元で修業するというこの番組。
すでに通常の放送は見てなかったけど、
スペシャルでは、
店主たちのもとを司会みのもんたが、
10年ぶりに「抜き打ちチェック」するという企画だった。
千載一遇のチャンスをものにし、
ずーっと繁盛を続けている店。
よかったのは最初だけで、
やっぱりダメダメに逆戻りの店。
結果は様々。
ぼくが見た限りだけど、
今でも繁盛している店は、
達人の教えを愚直に守り続けていた。
ただそれだけのことが、
出来る人と出来ない人。
10年たつとその差がこんなに出るのかと、
それは感動的ですらあった。
にしても、
駄目駄目な店主って、
愛想を尽かされそうになった時の、
懇願の仕方だけは「一流」なんだよなぁ。
すがりつく人。
土下座する人。
もぅいいってば。
画面につぶやく。
そんな時だけ必死なのは。
やっぱ薄情だな。
オレ。
●この番組、レギュラーでやってる時、ほとんど見てなかったけど、テレビ東京らしく製作費がかからず面白い、いい企画だなぁ。
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