2010年10月26日火曜日

累計

通勤途中にある「耳かき店」。
好奇心はそそられるが、
いまだ行ったことはない。

浴衣を着た女の子がチラシを配っていることもあるから、
半分「風俗」のようなものなのだろうか?

それはともかく、
耳かきサービス店従業員と、
彼女の祖母を殺したとして、
42歳の男に死刑が求刑された。

裁判員裁判が始まってから、
初めてのこと。

ぼくは、
自分の命以外は自由にできない、
という立場だから、
当然の帰結として死刑には反対だ。

そういう意見にはすぐに「遺族感情」って反論があるけど、
ならむしろ仇討制度を復活させる方が、
ぼくには腑に落ちる。

そもそも、
死刑が最高刑というのは、
人間にとって死ぬことほど辛いことはない、
という前提に立っている。

それはそうなんだろうけど、
ぼくは最近人間の死について、
次のように考えることがある。

有史以来、
死んだ人の累計は、
一節には数百億人とも言われる。

てことは、
人類とは、
死んだ経験のある圧倒的多数と、
未経験の少数(今生きている人間)ということだ。

そう考えた時、
ぼくは、
これまでの死者たちから、
「あんたまだ死んでないの?」と、
経験不足(!)を笑われているような、
不思議な気持ちになる。

以上は高杉晋作の詩(↓)を紹介したいがための前説である。

武に起こって従り二千年
億万心魂 散って煙と作る
愚者英雄 倶に白骨
まことなるかな浮世の値三銭

なるほど。
晋作、
お前もそう思うか。

●「トウキョウソナタ」(黒沢清監督)。TUTAYAのDVDが不調で、途中で飛びとびになっちゃったんだけど、女優・小泉今日子はいいなぁ。



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