2010年10月12日火曜日

驚愕

わが家の下水溝の蓋が、
今日、
なぜかズレていたらしく、
不思議に思った母が中をのぞいて驚愕した。

その理由を述べる前に、
少し説明すると、
わが家の下水は、
地下を通っているパイプを通じて排出されるのだが、
そのパイプに対して垂直に別のパイプが接続されている。

感じとしては、
ちょうど凸のようなイメージ。

その凸の上端のところが地面で、
そこに蓋があって、
直径は10センチほど。
深さ、
つまり地中を通る下水パイプまでの深さは30センチぐらい。

で、
母が見た物とは、
この凸部分に繁茂した木の根だった。

庭に植わっている一本の木の根が、
塩ビパイプを貫通して、
凸型の部分を埋め尽くそうとしていたという。

わが家は築13年なので、
まぁ10年ぐらいはゆうにかかったと思われる。

下水溝の蓋がズレていたのは、
パイプが少しずつ詰まった状態になって、
とうとう今日、
汚水が下から持ちあげた、
ということらしい。

今日初めてその事態に気付いた母は驚愕し、
剪定ばさみでパイプ内に侵入した根の根もとを断ち、
パイプ内をのたうつ根を引きずりだしたそうな。

それは直径3センチほどで、
長さはゆうに1メートルはあったという。

もちろん母がそんな格闘をしている間、
ぼくは夢の中。
知るよしもない。

「そりゃびっくりしたわ」

目を見開いて説明する母に、
「生まれて一番の驚き?」とちゃかすと、
「そう」と大真面目な返事。

「空襲よりも?」

「そんなん忘れた」

「震災よりも?」

「あの時は寝てたから」

生まれて72年あまり。

きょう、
人生最大の驚きを経験した母。

長生きもいいもんだなと、
少しばかり思った。

●惜しむらくは写真を撮ってないこと●久し振りに西北のジュンク堂に行った。やっぱ本屋っていいね。

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