2010年11月10日水曜日

直視

少し前が、
ジョン・レノンの誕生日で、
来月には命日が訪れる。

ということは、
毎年この時期は、
ジョンの歌が街に流れ続ける。

イマジン。

理想をイメージすることは、
とっても大切なことだ。

戦争のない世界。
宗教のない世界。

でも、
イメージできれば、
即実行できるわけではないということは、
大人なら誰でも知っている。

空を飛ぶイメージができるからって、
本当に飛べるわけない。

別の角度からみても、
たとえば、
丸い地球を思い浮かべることはできても、
紙に描こうとすると、
いびつになる。

自分の体をイメージ通りに動かすことさえ、
天才以外にはままならない。

でも人は、
きっとこういう風に自分は体を動かしていると、
勝手に錯覚して納得する。

いや、
錯覚することで、
人はかろうじて生きていられるというか。

現実を直視するというのは、
大なり小なり「拷問」だ。

できれば避けて通りたい。

でも、
その拷問に耐えて、
何度も何度も自分の真実の姿を焼きつけ、
修正し、
また見返す、
その苦痛の上にしか、
本当の意味での矯正はなされない。

先日のプロフェッショナルは北島康介だったけど、
彼なんかは、
イメージと身体感覚を一致させる天才なんだろう。

スポーツもそうだけど、
歌うことも同じだ。

いくらこういう風に歌おうと、
イメージを膨らませても、
結果は全然違うことがある、
というよりほとんど。

録音機は残酷だよ。

その時の歌唱を、
鏡のように正確に映し出す。

それを聞くことに耐えて耐えて、
恥の上塗りを何度も繰り返すことでしか、
上達はありえない。

それ以外に、
イメージに近づく道はない。

ほかのことには目をつぶっても、
ここだけは絶対に目をそらすまい♪

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