2011年1月6日木曜日

脚色

ほとんど期待しないで観たドラマ「トイレの神様」がよかった。

筋書きは歌のほとんど歌の歌詞をなぞるような形で、
おばあちゃんと住むに至った幼少期から、
プロの歌手を目指して上京し、
おばあちゃんが亡くなるまでが描かれる。

五目並べ、
鴨南蛮、
吉本新喜劇、、、

歌詞のキーワードをしっかり押さえていた。

何よりいいと思ったのは女優陣。

植村花菜役は、
幼少期を芦田愛菜、
高校生以降が北野きい。

愛菜ちゃん可愛さ爆発。

北野きいも歌がなかなか上手くて適役だった。

おばあちゃん役は岩下志麻で、
カッコよすぎる感じもしたけど、
存在感はさすがに圧倒的で、
彼女一人でドラマの重みが増すというか、
多少無理目の展開でも、
納得させられてしまった。

これは重要。

ドラマや映画って、
ストーリーの整合性が結構問われるのだが、
本来それはあまり重要ではない。

というか、
むしろ現実の方が理不尽の連続で、
だから、
役者の説得力っていうのは、
整合性のないストーリーを、
いかにして観る者の腑に落ちさせられるかということなのだ。

そういう意味で岩下志麻はさすが。

そんなことよりも何よりも、
予想外に素晴らしかったのが、
植村の母親役だった夏川結衣。

かなり自分勝手なオカン役を見事に演じていた。

この人のことは、
実はあんまり良く知らないのだけど、
どちらかというと「いい育ち系」、
つまり安田成美とか鈴木保奈美とか(どっちもとんねるずの嫁だが)、
そんな系統の人だと勝手に思っていたが、
いやいや、
あのアッケラカンとした弾けた演技は、
これから凄いことになりそうな予感がした。

総じて、
たかが一曲をネタにして作ったにしては、
よく仕上がっていたと思う。

ただ終盤、
病床のおばあさんの枕元で、
北野が「自分らしい歌が出来た」といって、
トイレの神様を歌った場面、

あれは絶対駄目でしょ。

だって歌のなかでおばあちゃん死んじゃうんだもの。

いろいろと都合はあったんだと察するけど、
あの脚色は反則だよ。

●あと、小学生の植村が実の父に会いに、一人で川西から和歌山に行くくだりがあったのだけど、あれは事実なんだろうか?

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