ほとんど期待しないで観たドラマ「トイレの神様」がよかった。
筋書きは歌のほとんど歌の歌詞をなぞるような形で、
おばあちゃんと住むに至った幼少期から、
プロの歌手を目指して上京し、
おばあちゃんが亡くなるまでが描かれる。
五目並べ、
鴨南蛮、
吉本新喜劇、、、
歌詞のキーワードをしっかり押さえていた。
何よりいいと思ったのは女優陣。
植村花菜役は、
幼少期を芦田愛菜、
高校生以降が北野きい。
愛菜ちゃん可愛さ爆発。
北野きいも歌がなかなか上手くて適役だった。
おばあちゃん役は岩下志麻で、
カッコよすぎる感じもしたけど、
存在感はさすがに圧倒的で、
彼女一人でドラマの重みが増すというか、
多少無理目の展開でも、
納得させられてしまった。
これは重要。
ドラマや映画って、
ストーリーの整合性が結構問われるのだが、
本来それはあまり重要ではない。
というか、
むしろ現実の方が理不尽の連続で、
だから、
役者の説得力っていうのは、
整合性のないストーリーを、
いかにして観る者の腑に落ちさせられるかということなのだ。
そういう意味で岩下志麻はさすが。
そんなことよりも何よりも、
予想外に素晴らしかったのが、
植村の母親役だった夏川結衣。
かなり自分勝手なオカン役を見事に演じていた。
この人のことは、
実はあんまり良く知らないのだけど、
どちらかというと「いい育ち系」、
つまり安田成美とか鈴木保奈美とか(どっちもとんねるずの嫁だが)、
そんな系統の人だと勝手に思っていたが、
いやいや、
あのアッケラカンとした弾けた演技は、
これから凄いことになりそうな予感がした。
総じて、
たかが一曲をネタにして作ったにしては、
よく仕上がっていたと思う。
ただ終盤、
病床のおばあさんの枕元で、
北野が「自分らしい歌が出来た」といって、
トイレの神様を歌った場面、
あれは絶対駄目でしょ。
だって歌のなかでおばあちゃん死んじゃうんだもの。
いろいろと都合はあったんだと察するけど、
あの脚色は反則だよ。
●あと、小学生の植村が実の父に会いに、一人で川西から和歌山に行くくだりがあったのだけど、あれは事実なんだろうか?
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