今年から電子化されたということに、
今月の給料日になって初めて気づいた。
いかにペーパーレス社会とはいえ、
あんな紙きれをやめて、
一体どれほどの経費削減になるのかと、
首をかしげざるを得ない。
実のところ、
ぼくは入社以来の給与明細をすべて保管している。
とはいえ、
きちんと整頓されているわけではなく、
ただ部屋のどこかにはある、
という程度のものなのだが。
これは亡き親父が、
ぼくが入社した時の助言だ。
「こういうものは大事にとっておけ」
当時はその言葉の意味がよく分からなかった。
明細が200枚を超える今になって、
親父がそう言った気持ちが、
なんとなく分かる気がする。
単なる金額の羅列に過ぎない紙片ではあるけれど、
世の多くのサラリーマンにとっては、
悲しいかな給与明細の存在は、
自分が働いてきた「唯一」の物的証拠と言えなくもないのだ。
たとえば、
瀬戸大橋の建設に携わった人なら、
「あの橋を造ったのはオレだ」などと、
少なくとも死ぬまで自慢に思えるだろうが。
電子化された給与明細は、
しようと思えばプリントアウトできるそうだ。
プリントアウトねぇ。
何か違うんだよな。
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